NASAの火星探査車「パーサビアランス」、打ち上げ成功

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日本時間7月30日夜、NASAの火星探査車「パーサビアランス」が米・フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた。

【2020年7月31日 NASA

7月30日20時50分(日本時間、以下同)、NASAの火星探査車「パーサビアランス(Perseverance)」を搭載した「アトラスV」ロケットが米・フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた。ロケットの第1段は打ち上げの数分後に切り離され、2段目のロケット「セントール(Centaur)」が地球周回軌道へ到達した。セントールは再点火して火星へと舵を切り、パーサビアランスを格納した運搬機と分離した。

パーサビアランスを搭載したアトラスVロケットの打ち上げ
火星探査車「パーサビアランス」を搭載したアトラスVロケットの打ち上げ(提供:NASA/Joel Kowsky)

航行データから運搬機は無事に火星へ向かう軌道に入ったことが確認されている。地球の影に入った際に予想外に温度が低下したため運搬機は一時セーフモードに入ったが、現在は温度が元に戻りシステムの再稼働と点検が行われている。

パーサビアランスは半年間の航行の後、来年2月18日に火星のジェゼロ(Jezero)クレーターに到着する予定だ。少なくとも火星の1年(地球の約2年)にわたって探査を行い、多様な地質学的調査を行って微生物の痕跡があるかどうかを探る。

ジェゼロクレーター
ジェゼロクレーターの擬似カラー画像。直径45kmのクレーターの、左の楕円部分にパーサビアランスが着陸する(提供:NASA/JPL-Caltech/MSSS/JHU-APL/ESA

「ジェゼロクレーターは太古の生命の兆候を探すのに最適な場所です。パーサビアランスは、過去に火星がどのような惑星だったのか、そして今はどうなっているのかという私たちの認識を考え直させる発見をすることでしょう。かつて湖底だった場所で岩石を調査し、地球へ持ち帰るべきサンプルを選ぶことで、地球以外のどこかに生命が存在していたと科学者が主張するのに必要な情報が得られるかもしれません」(NASA科学ミッション局副長官 Thomas Zurbuchenさん)。

サンプル収集システム「Sample Caching System」の紹介動画(提供:NASA/JPL-Caltech、以下同)

パーサビアランスに搭載されている7つの機器のほとんどは地質調査と生命探しのために設計されているが、「MOXIE(Mars Oxygen In-Situ Resource Utilization Experiment)」は、火星の二酸化炭素を酸素に変換する実験装置だ。将来の火星探査ではMOXIEの改良版を使ってロケット燃料や呼吸に必要な酸素が供給できるようになると期待される。

同じく将来を見据えた実験装置として、パーサビアランスの着陸後約60日で切り離される予定のヘリコプター「インジェニュイティ(Ingenuity)」がある。インジェニュイティには科学観測装置がなく、30日以上にわたる計5回の制御飛行実験を行う。ここで確立された飛行技術は、将来火星における探索や小型荷物の輸送などに役立つかもしれない。

地球以外の惑星上で初の制御飛行実験を行う「インジェニュイティ」の紹介動画

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