高エネルギー現象と関係か、一部の太陽フレアで見られるHα偏光

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一部の太陽フレアが偏光することが、国立天文台太陽フレア望遠鏡による観測から確かめられた。コロナ質量放出に伴う高エネルギー現象と関係があるとみられている。

【2019年3月4日 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト

太陽の表面で起こるフレアと呼ばれる爆発現象をHαという波長の光で観測すると、光の振動方向が偏る「偏光」という性質が見られることがある。フレアからのHαが直線偏光しているということは、そこに何らかの非等方性があることを示しており、偏光の観測はフレアを起こしている太陽大気の状態や加速された粒子を理解する手掛かりになる。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所の川手朋子さんと国立天文台太陽観測科学プロジェクトの花岡庸一郎さんは、国立天文台三鷹キャンパスの太陽フレア望遠鏡に、従来よりも高い精度で偏光を測定できるように工夫した装置を組み込み、多数のフレアについて偏光を調べた。

川手さんたちが2004年から2005年にかけて観測された71個のフレアを解析したところ、ほとんどのフレアに偏光は見られなかったが、1つだけ偏光を示すフレアが見つかった。このフレアを詳しく調べると、Hαで最も明るい場所とは異なる所で強い直線偏光信号が出ていることがわかった。

強い直線偏光が見られたフレアにおけるHα放射強度、直線偏光とフレア発生中の光球・コロナ
強い直線偏光が見られたフレアにおけるHα放射強度(左上)と直線偏光の強さ(右上)。下段は太陽観測衛星SOHOがとらえたフレア発生中の光球とコロナ(提供:国立天文台、SOHO consortium (ESA, NASA))

この結果は、Hαでの偏光がどのフレアにも見られる一般的な現象によるものではなく、特定のある種のフレアだけにしか見られない原因で発生することを示している。これまでコロナにはHα偏光は見られないという観測結果もあったが、一部のコロナだけで見られるものであることが明らかになった。

偏光が見られたフレアではコロナ質量放出という、惑星間空間にプラズマを吹き飛ばす現象の兆候が現れていた。近年の観測研究により、コロナ質量放出に伴う加速陽子が存在する可能性が示されており、この加速陽子がHαの偏光の原因かもしれないと考えられる。

粒子加速は太陽に限らず宇宙全般で起こっているが、未解明の部分の多い現象だ。フレアにおけるHαの偏光観測は太陽の研究だけでなく、粒子加速問題を理解する手掛かりの一つとなるだろう。

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