アメリカの宇宙船「オライオン」、試験飛行成功

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アメリカの次世代宇宙船「オライオン」の最初の試験飛行が日本時間5日夜に行われ、無事成功した。将来の小惑星や火星への有人探査に向けて大きな足がかりとなる。

【2014年12月8日 NASA

アメリカの次世代宇宙船「オライオン」(オリオン)が5日(日本時間。以下同)、最初の試験飛行を順調に完了した。同日21時4分に米・フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられたオライオンは、地球周回2周目で高度5800kmに到達した。有人用に開発された宇宙船としては、アポロ計画以来最も地球から遠ざかった記録となる。打ち上げから4時間半後の6日1時半ごろに大気圏に再突入、パラシュートを展開してカリフォルニア州沖に着水した。回収された船体はまずサンディエゴ海軍基地に運ばれ、その後フロリダ州ケネディ宇宙センターで今後の開発のための分析が行われるほか、打ち上げ失敗時の緊急脱出システムのテストに再利用される。

今回の試験飛行ではデルタIVヘビーロケットが打ち上げに使われたが、運用段階では現在開発中のSLS(Space Launch System)ロケットで打ち上げられることになる。2020年代に小惑星、2030年代には火星への有人探査を目指す。

デルタIVヘビーロケット打ち上げのようす
オライオンを載せたデルタIVヘビーロケット打ち上げのようす(提供:NASA。以下同)

カリフォルニア州サンディエゴ沖に着水したオライオン
カリフォルニア州サンディエゴ沖に着水したオライオン