米の次世代有人宇宙船「オライオン」に欧州が協力合意

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【2013年1月17日 NASAESA

NASAが開発中の宇宙船「オライオン」に、欧州の宇宙ステーション補給機の推進・動力システムが導入されることが決まった。2017年に新たな打ち上げシステムと併せた無人ミッションを実施、その後に月以遠を視野に入れた有人ミッションを目指す。


「オライオン」イメージ図

「オライオン」イメージ図。クリックで拡大(提供:ESA)

「オライオン」構造図

「オライオン」構造図。クリックで拡大(提供:NASA)

NASAとヨーロッパ宇宙機関(ESA)は、アメリカの次世代有人宇宙船としてNASAが開発中の「オライオン」(Orion=オリオンの英語読み)のサービスモジュール部を欧州側が提供することで合意した。サービスモジュールとは宇宙船の動力供給や推進、船内環境維持などを担う部分で、欧州の宇宙ステーション補給機ATVの技術を導入する。ATVは2008年からこれまでに3機が運用されており、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶだけでなく、ドッキング中にエンジン噴射してISS全体の軌道を修正することもできる。

「オライオン」はまず2014年に既存ロケットでの試験フライトを行い、2017年のミッション1で新システムSLSでの打ち上げを行う。その後4人のクルーを乗せた初めての有人ミッションが実施される予定だ。

NASAのウェブサイトでは、打ち上げからカプセル帰還までのミッションの流れをCGアニメ化した動画を見ることができる。