系外惑星大気の観測に一石を投じる、衛星タイタンのデータ

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【2014年5月30日 NASA JPL

探査機カッシーニが観測した土星の衛星タイタンと、トランジットを起こしている系外惑星との類似性に着目した研究によって、系外惑星がもやに覆われている場合、もやが大気の観測に影響を及ぼすことが示された。


日没時にタイタンを観測する探査機カッシーニの想像図

日没時にタイタンを観測する探査機カッシーニの想像図。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech)

太陽系外惑星が地球から見て恒星の前を通過(トランジット)する際、惑星の大気中を恒星の光が通ってくる。その光を分光観測してスペクトルを調べると、系外惑星の大気の温度や組成、構造などがわかる。

NASAエイムズ研究センターのTyler Robinsonさんたちの研究チームは、系外惑星のトランジットと、NASAの土星探査機「カッシーニ」が観測した日没時にあるタイタンの類似性に着目した。タイタンは惑星ではなく衛星だが、雲や高い高度に存在するもやに覆われている。系外惑星にも同様のものがあるだろう。そこで、太陽の光がタイタンの大気中を通り抜けてくる日没時の観測データを分析し、タイタンを覆っているもやが観測に及ぼす影響を明らかにした。

2006年から2011年の間にカッシーニが得たタイタンの観測データを分析したところ、系外惑星上空にもやが存在する場合、トランジット観測によって得られるスペクトルが制限されてしまう可能性が示唆された。さらに、タイタンのもやは、より短い波長(青色)の光に、より強い影響を及ぼすこともわかった。

系外惑星研究ではこれまで、もやはすべての色の光に同様に影響を及ぼすと仮定されてきた。今回の研究によって、その仮定があてはまらないケースが出てきたわけだ。

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