石垣島天文台で高校生が小惑星を発見
【2016年8月31日 石垣島天文台】
「美ら星(ちゅらぼし)研究体験隊」(略称「美ら研」)は、2005年から国立天文台が開催している高校生の研究体験企画だ。今年は8月3日から5日にかけて、沖縄県内の高校生6名が石垣島天文台の「むりかぶし望遠鏡」を使った観測を体験した。
むりかぶし望遠鏡と観測メンバー。中央の6名が美ら研に参加した高校生(提供:国立天文台 石垣島天文台、以下同)
8月3日の観測で、これまでに見つかっていなかった天体が3つ発見された。そのうちの1つは翌4日以降も確認観測が行われ、天体の位置を知るために必要な軌道要素が確定したことから、国際天文学連合の小惑星センターによって「2016 PH14」の仮符号が付けられた。
小惑星2016 PH14
正式に新天体として認定され小惑星番号が付けられるには4年以上の観測が必要となる。現時点で仮符号のない残る2天体とともに、石垣島天文台ではこれらの新天体を継続観測していくとのことだ。
なお、これまでに「美ら研」では2008年に発見された小惑星2個が正式に認められており、「(333639) Yaima(八重山)」と「(372024) Ayapani(綾羽)」という名前が公募で命名されている。
〈参照〉
〈関連リンク〉
- 国立天文台 石垣島天文台: http://www.miz.nao.ac.jp/ishigaki/
- 国際天文学連合 小惑星センター: http://www.minorplanetcenter.net/
- アストロアーツ 星空ガイド: 天文の基礎知識 小惑星
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