小惑星が運んできた月の水

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アポロ計画で月から地球に持ち帰られたサンプルの分析や探査機の観測で、月に水が存在していることが明らかになっているが、最新の研究によると、月の水の大部分は小惑星がもたらしたものだと考えられるという。

【2016年6月1日 Phys.Org

月は約45億年前に火星サイズの天体が地球に衝突して誕生したと考えられている。その後、月では1000万年以上にわたって、水を豊富に含む炭素質コンドライトの小惑星の衝突が続いたようだ。

月や地球に水をもたらした天体は小惑星だけでなく彗星も考えられるが、アポロ計画で月から持ち帰られたサンプルを分析した最新の研究成果によれば、小惑星の寄与が大半だという。

月のサンプルを採取するHarrison Schmitt宇宙飛行士
1972年12月11日にアポロ17号の着陸地点「タウルス・リットロウ (Taurus-Littrow) 渓谷」で月のサンプルを採取するHarrison Schmitt宇宙飛行士(提供:NASA)

現在の月にどのくらいの量の水が存在しているのかはよくわかっていないものの、1000兆tのオーダーで月の内部に水が含まれている可能性がある。本当にこれほどの量が存在する場合、水はおそらくヒドロキシル(OH)分子の形で鉱物中に閉じ込められているという。

月の表面に露出したところでは、南北の極付近に位置するクレーター内部の、深く太陽光が届かないところに氷が10億tはありそうだ。こうした水の氷は30億年から40億年もの間、閉じ込められてきたとみられる。

月に水があれば、将来の探査では水を分解して酸素を作り、月面基地に滞在する宇宙飛行士に提供できるだろう。また水素は、ロケットや鉱物資源の掘削のための燃料にできる。「まるでSFのように思われるかもしれませんが、こうした実用的な点が、ヨーロッパ宇宙機関やNASAなど各国の宇宙機関が月探査を計画し、氷の量をより正確に見積もろうとしている理由の一つなのです」((フランス国立自然史博物館 Roman Tarteseさん)。

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