小型月着陸実証機SLIM、月周回軌道に

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小型月着陸実証機「SLIM」が12月25日、月周回軌道に投入された。来年1月20日に月面へのピンポイント着陸へ挑む。

【2023年12月27日 JAXA

JAXAが9月7日に打ち上げた小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」が、12月25日16時51分(日本時間)に月の北極付近上空で逆噴射を実施して軌道を変更し、月の北極と南極の上空を通過する楕円軌道を約6.4時間で周回する軌道に投入された。

SLIMが撮影した月面
SLIMが撮影した月面。月の北極付近のクレーター(ゴルトシュミット、アナクサゴラス等)が写っている(提供:JAXA

今後SLIMは軌道修正や軌道高度の変更を行い、来年1月20日の0時00分ごろに月面への降下を開始する。着陸目標地点は「神酒の海」付近にある直径270mの「シオリ(Shioli)」クレーターの近くで、半径100m円内へのピンポイント着陸に挑む。着陸に成功すれば日本初となり、世界ではロシア(旧ソ連)、アメリカ、中国、インドに続く5か国目となる。

従来の月面着陸の精度が数km~数十kmだったのに対し、今回SLIMが技術実証するのは100mオーダーの精度だ。近年では月全球の高精細データなどが得られていて、月面で探査したい地点が明確になっており、そのような場所に「狙った通りに」着陸することが求められている。SLIMは降下中、画像航法によって自身の位置をリアルタイムで推定し、障害物を検出・回避したり、高度や速度を精密に計測したりしながら目標地点へ接近していく。着陸正否の判断にはおおむね着陸から1か月程度かかると見込まれている。

軌道投入に先立って12月5日に行われた記者説明会で、SLIMプロジェクトマネージャーの坂井真一郎(JAXA)さんは次のように着陸に向けた意気込みを語った。「これまでの研究・開発には多くの方々の協力をいただいて進んできました。われわれJAXAチームはもちろんですが、色んな方の思いが詰まった着陸機だと思っていますので、何としてもきちんとピンポイント着陸を成功させて、その思いに応えたいと強く感じています」。

小型月着陸実証機(SLIM)及び小型プローブ(LEV) 記者説明会(12月5日)の録画(提供:JAXA宇宙科学研究所)