インドの「チャンドラヤーン3号」が月の南極付近に着陸

このエントリーをはてなブックマークに追加
8月23日にインドの月探査機「チャンドラヤーン3号」が月の南極付近に降り立った。月面軟着陸に成功したのはインドが4か国目で、月の南極付近への着陸は世界初だ。

【2023年8月24日 インド宇宙研究機関(1)(2)

インドの月探査機「チャンドラヤーン3号」が、8月23日21時33分ごろ(日本時間、以下同)、目標の着陸地点である直径約96kmのマンチヌス・クレーター(Manzinus、マンジヌスとも)の南東付近に無事軟着陸した。月面着陸の成功はインド初で、ロシア(旧ソ連)、アメリカ、中国に次いで4か国目となった。また、月の南極付近への着陸は世界初だ。

7月14日に打ち上げられたチャンドラヤーン3号は、最初は地球を周回する楕円軌道に投入され、徐々に高度を上げて、8月5日に月を周回する楕円軌道に切り替わった。月への距離を詰めてから、17日には推進モジュールから着陸機が分離し、21日には中継機として再利用されることが決まっていた「チャンドラヤーン2号」の周回機との間で通信が確立していた。

23日、着陸地点の安全が確認されると、チャンドラヤーン3号は自動着陸シーケンスに入り、約20分の降下を経て21時34分に月面に軟着陸した。その様子を見守っていたインド宇宙研究機関(ISRO)の管制室は、一気に喜びに沸いた。着陸の中継放送では、ナレンドラ・モディ首相も国旗を振って笑顔を見せ、首相のX(旧ツイッター)アカウントに「インドの宇宙開発セクターにとって歴史的な日だ」と投稿した。

着陸前の管制室のモニター画面
日本時間21時ごろのISRO管制室のモニター画面。月面高度約150mをホバリング中の着陸機の様子を示したリアルタイムアニメーションのほか、着陸機に搭載されているカメラに映る着陸地点やテレメトリデータが映っている(提供:ISRO、以下同)

喜びに沸くISRO管制室
着陸の成功を受けて喜びに沸くISRO管制室

着陸後に着陸機が取得した画像もすでに公開されていて、比較的平坦な着陸地点の一部と着陸機の脚、その影が写っている。

チャンドラヤーン3号が着陸後に取得した画像
チャンドラヤーン3号が着陸後に取得した画像

チャンドラヤーン3号のミッションでは2つの大きな目標があり、まず軟着陸には見事に成功した。もう1つの目標は、小型ローバーによる月面探査の実証だ。今後、着陸機に搭載されたローバーが月面へ降り、レーザー誘起ブレークダウン分光器(LIBS; Laser Induced Breakdown Spectroscope)とアルファ粒子X線分光器(APXS Alpha Particle X-ray Spectrometer)を使って、約2週間にわたって月の土壌や岩石の元素組成を調べる。

小型ローバー
チャンドラヤーン3号の着陸機。タラップ上に小型ローバーがある

チャンドラヤーン3号の月面着陸ライブ中継の録画「Chandrayaan-3 Mission Soft-landing LIVE Telecast」