「ひので」が見た水星の太陽面通過
【2019年11月18日 JAXA宇宙科学研究所】
日本時間の2019年11月11日夜から12日未明にかけて、水星の太陽面通過が起こった(参照:「2019年11月12日 水星の太陽面通過(大西洋方面)」)。
残念ながら日本は夜中の時間帯だったため国内では見られなかったが、日本の太陽観測衛星「ひので」に搭載されているX線望遠鏡が、太陽面を通過する水星を観測した。直径が太陽の285分の1(実サイズ比。見かけサイズの比は約200分の1)しかない水星が、X線を放射する太陽コロナの前を横切る、とても小さな黒い点としてとらえられている。
「ひので」のX線望遠鏡がとらえた水星の太陽面通過。矢印の先の黒い点が水星。太陽コロナは黄色に着色されている(提供:JAXA/国立天文台/モンタナ州立大学/SAO、以下同)
太陽コロナを背景に移動する水星。X線の明るいところを黒、暗いところを白として表示しているので水星は白い(提供:JAXA/国立天文台/モンタナ州立大学/SAO)
次回、水星の太陽面通過が起こるのは13年後の2032年11月13日で、日本でも15時40分ごろから日没までの間に見ることができる。
〈参照〉
- JAXA宇宙科学研究所:「ひので」衛星のX線望遠鏡が見た水星の太陽面通過
〈関連リンク〉
- 太陽観測衛星「ひので」
- アストロアーツ 星空ガイド:2019年11月12日 水星の太陽面通過(大西洋方面)
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