オシリス・レックスがベンヌを初撮影
【2018年8月30日 NASA】
NASAの小惑星探査機「オシリス・レックス」(オサイレス・レックス)が8月17日、約220万kmの距離から目的地である小惑星「ベンヌ」の姿を初めて撮影した。
オシリス・レックスが撮影した小惑星「ベンヌ」の画像から作成された動画(提供:NASA/Goddard/University of Arizona)
オシリス・レックスはNASA初の地球近傍小惑星探査ミッションで、ベンヌの表面を調べてサンプルを採取し、地球へ持ち帰ることを目的としている。探査機は2016年9月に打ち上げられ、これまでに約18億kmの距離を飛行してきた。ベンヌへの到着は今年12月3日の予定だ。
「オシリス・レックスはベンヌを観測できる距離にまで接近しました。ミッションチームは今後、到着までの数か月で、ベンヌの大きさや形、表面の特徴や周囲の様子などを調べます。探査からどんなことが明らかになるのか、待ち切れない気持ちでいっぱいです」(オシリス・レックス主任研究員 Dante Laurettaさん)。
オシリス・レックスは今後、ベンヌに接近しながら天体の周辺を定期的に観測し、天体の表面からの塵の噴出や衛星の有無を確認する。10月1日からはエンジン噴射で速度調整を開始する。その後、10月後半ごろにベンヌの全体像をとらえ、11月中ごろにベンヌの表面の特徴の調査を開始する。
ベンヌ到着後、最初の1か月間で、オシリス・レックスは小惑星の北極から南極まで、高度7~19kmの接近飛行を行い、ベンヌの接近観測や質量計測を実施する。サンプルの採取は2020年7月初め、地球帰還は2023年9月の予定となっている。
「はやぶさ2」による小惑星「リュウグウ」探査とともに、こちらの小惑星探査にも要注目だ。
関連記事
- 2022/04/18 小惑星による2.6等星の食、観測成功!
- 2022/04/06 2022年4月13日 小惑星アフティによるぎょしゃ座θ星マハシムの食
- 2022/03/28 小惑星リュウグウがかつて彗星だった可能性を指摘
- 2022/03/17 ぎょしゃ座2.6等星の星食帯予報を改良、九州中部→南部へ
- 2022/02/28 「はやぶさ2」が2026年フライバイの小惑星を地上から観測
- 2022/01/31 アンモニア含有鉱物が示す小惑星の大移動
- 2022/01/11 衝突により表層が新鮮になった小惑星
- 2022/01/05 2022年1月13日 イリスがふたご座で衝
- 2021/10/08 ふたご群の母天体ファエトンによる恒星食、観測大成功!
- 2021/09/24 10月4日、小惑星ファエトンによる恒星食を観測して探査機ミッションに協力
- 2021/09/08 空に浮かぶダイヤモンド、ベンヌとリュウグウの形の成因
- 2021/09/02 2021年9月9日 パラスがうお座で衝
- 2021/05/25 天体衝突による熱が小惑星表面で生命の材料を合成
- 2021/05/14 オシリス・レックス、地球に向け帰還開始
- 2021/05/11 小惑星での有機物生成を再現する実験
- 2021/04/14 オシリス・レックス、最後の探査を完了
- 2021/03/01 恐竜を絶滅させた小惑星の物質をクレーター内で発見
- 2021/03/01 2021年3月8日 ベスタがしし座で衝
- 2021/02/03 オシリス・レックス、5月にベンヌを出発
- 2021/01/07 リュウグウは生まれながらにして乾いていたか