Location:

Book Review

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

宇宙の誕生と終焉

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Amazonで買う
宇宙の誕生と終焉
 

  • 松原隆彦 著
  • SBクリエイティブ 刊
  • 17.2×11.2cm、192ページ
  • ISBN 978-4797385502
  • 価格 1,080円

小松さんと川端さんの本の出版2か月後にまたまたお目にかかったビッグリップ(以下BR)紹介の本。今度はビッグ・フリーズ(BF)とビッグクランチ(BC)も登場。ビッグバン(BB)とBCの途中で出現する膨張停止(ビッグストップ:BS)も紹介されている。いやはや略語だらけで、評者は大喜び。なぜかと言えば、密かに評者は略語辞典を編集中(現在970語を収集)なのだ。すなわち、略語界がインフレーションを起こしているのだ(ただしBR等の略語は評者が新案作成した)。

冗談はさておき、評者が一番ビックリしたのが、本書89頁に掲載されているタイトルにインフレーションか類似言葉が記された論文数の鰻登りだ。これこそインフレーションのインフレーションである。当然これには反対作用があるはずで、評者の推定だが、変光星分野は消滅しかかっているだろう。まさに今やインフレーションを語らずして宇宙論は存在しない。いいですか、1981年=年間0から2012年=340と、31年間に4077もの論文が発表されており、今やインフレーションのモデルも数百が提案されているそうだ。ビックリポンですよ! インフレーションの一番の動因がダークエネルギーということが判りかけてきたところで、未だに正体不明なのがダークマター。一時ニュートリノが主要成分かと取り沙汰されたが、今は否定。その辺りがよくわかる本書はお勧め本。

この本を購入する Amazonで買う