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別冊日経サイエンス 天文遺産 宇宙を拓いた日本の天文学者たち

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別冊日経サイエンス 天文遺産 宇宙を拓いた日本の天文学者たち

  • 渡部潤一 監修、日経サイエンス編集部 編
  • 日経サイエンス
  • 128ページ
  • 定価 2200円

国立天文台の日本最古の星野写真(東京都三鷹市に移る前の麻布で撮影)、現在も日本最大である屈折望遠鏡や子午儀、子午環、日本最初の理科年表、天文台職員の官舎、リーフラー時計、写真天頂筒、アインシュタイン塔や、岩手県の国立天文台水沢VLBI観測所の臨時緯度観測所、名古屋大学空電研究所の1.5m太陽電波望遠鏡、国立天文台野辺山の第一号電波望遠鏡やミリ波電波干渉計、今ではなつかしい堂平観測所にあったベーカー=ナンカメラ、AFUカメラなど、近代日本天文学史に名を連ねる名天文機器や施設などが、貴重な写真とともに次から次へと紹介されている写真資料集。読者の皆さんのお宅の書棚に相応しいと思うほどお勧めしたい本である。評者も購入した日の夜、枕元に置いて眠ったほど嬉しかった。歴史的な天文機材もさることながら、著名な天文学者の若かりし頃の肖像写真も楽しむこともできた。

嬉しいことに、本書最後の120〜127ページに、評者が15年間勤務した五島プラネタリウムの歴史もたくさんの写真とともに紹介されている。友人である村松修さんによると、今年閉館20周年を記念してとのことらしい。なお、この件については、星ナビ2021年3月号の「こだわり天文夜話」に書かせていただいている。興味のある方はそちらもお読みください。

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