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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

巨大ブラックホールの謎 宇宙最大の「時空の穴」に迫る

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巨大ブラックホールの謎 宇宙最大の「時空の穴」に迫る
 

  • 本間希樹 著
  • 講談社
  • 17.5×11.4cm、272ページ
  • ISBN 978-4065020111
  • 価格 1080円

今回書評の対象書となった講談社刊3冊は、いずれもブルーバックスである。めでたく2000冊を迎えた同シリーズさん、科学書普及への大きな貢献感謝します。本書もそれにふさわしい内容の本で、まさに現代天文学の真髄となった。

評者は、かねてから雑学天文大百科という秘密書の記事を毎日追加しているが、このところ系外惑星、宇宙論、ブラックホールの記事追加が目まぐるしい。特に本書を新刊書店で発見してからたったの3日で読み上げた今日この頃は、数頁読んではメモの繰り返しで、寝る間もなかったほどである。ベテルギウスその他の変光星の観測は、その間も欠かさなかったが、それにしても最近この分野のニュースは無きが如し。サミシイヨー。

それに較べて、3C48、3C273、3C295、はくちょう座X-1、さそり座X-1(共に今は懐かしい名前だが…)、そしてNGC 4258、いて座A*(スターと読む)とM87(最後の2つが巨大ブラックホール天体の代表)が、現代のスーパースターだ。その上、本書178頁記載の巨大ブラックホール系統図(AGN動物園)は、評者初見の価値ある図表で、その中にあるFRI型のケンタウルス座AとFRII型のヘルクレス座A(いずれも電波銀河)、ブレーザーのとかげ座BL、OVV(光学的激変天体)など、これからもブラックホール界を席巻していくだろう。

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