Location:

Book Review

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

Disney: Wonderful World of Space

表紙写真

  • Andrew Fraknoi 著
  • Disney Press 刊
  • 28.2 x 21.3cm、128ページ
  • 2009年8月
  • ISBN978-1423122647
  • 価格 904円
  • ※洋書の価格は為替相場に応じて変動します。ご了承ください。

本書は、ディズニー・ファンで天文ファンの諸姉諸兄に絶対おすすめ。評者も書評を書き上げた後ただちに、毎月の給料を結婚資金とディズニーランド資金にしていた娘とその連れ合い(なぜか天文ファン)にこの本を献上することにした。いや、本書を洋書店で購入したときに勝手に決定していた。

いやいや、決して子供だましの本ではありません。なにしろ著者は評者も米国の諸天文雑誌に寄稿している業界の有名人。小惑星4859に命名されている米国屈指の天文普及家かつ学校の先生なのだ。ちなみに、評者も小惑星9866に名前を戴いています(比較の対象にはとてもならないが)。

ディズニー・キャラクターたちをふんだんに配置した編集も見ているだけで楽しいが、読めばなおさら楽しい時を過ごせるだけでなく、最新の天文学が学べるのだ。

例えば、「スイス・チーズ宇宙」って、あなた知っています?そう「泡宇宙」のこと。あるいはハッブル宇宙望遠鏡が車のバッテリー20個分の蓄電量で作動しているとか、アレシボ電波望遠鏡にコーンフレークのファミリー・サイズ箱を敷き詰めるには、353,000,000個必要だとか、寝食を忘れ5秒ごとに1268年間数え続けて、やっと銀河系内全部の星をカウントすることができるとか、有名な馬頭星雲の鼻先〜たてがみまで2光年あるなど、さすがディズニー流、解説員が引き出しにいれておかねばならない話題満載である。おもしろいですよ!

ウェブサイトの紹介も役立つし、本書の程度がどのくらいかは、天文オール・スターがヒッパルコス。コペルニクス、ガリレオ、ケプラー、ニュートン、ハレー、ハーシェルに、リービット、ハッブル、ペイネ・ガポシュキン、チャンドラセカール、ドレークが肩を並べて紹介されていることでおわかりいただけよう。

掲載された天体写真も、我が国の天文書ではお目にかかれないような珍しいものが多い。その説明も、これで十分といってよい役立つもの。本来は彼の国の天文少年少女が学ぶ図書だから、我が国の天文青年が読む英語の本としては、絶好と言って良い。みなさんまず本書からスタートして下さい。

この本を購入する [Amazon.co.jp]