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Book Review

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

The History of Astronomy A Very Short Introduction

表紙写真

  • Michael Hoskin 著
  • Oxford University Press
  • 17.3×12.4cm、136ページ(ペーパーバック)
  • ISBN 978-0-19-280306-1
  • 価格 1,335円
  • ※洋書の価格は為替相場に応じて変動します。ご了承ください。

“Very Short Introductions”シリーズは、歴史・宗教・芸術・文学・文化から心理学・医学・科学までのありとあらゆるジャンルに関する、100ページ余りの新書版入門書。だがオックスフォード大学が総力を挙げた出版物であり、本書の著者ホスキン教授も知る人ぞ知る天文学史研究の大家である。なので、一言で申し上げて、天文学史、特に古代から近代にかけての要点がわかりやすい本なのだ。

本書を読み終えた次のステップの本も適切なものが示され(もちろん洋書)、日本の大学でちゃんと英語と天文学史を勉強しようと考えている学生さんには、うってつけのものである。電車の中で読むことができる(多少辞書引きは必要かも)程度の英語で、ポケットや小バッグにもしまえるポータブル・サイズなので、おすすめだ。もし電車の中で本書を読んでいる人に出会ったら、評者は失礼を省みず間違いなく話し掛けてしまうだろう。

そういえば、評者の恩師鈴木敬信先生が戦前訳して出版されたジーンズの「神秘な宇宙」を、東京神田神保町界隈で、女学生が大挙して購入したという逸話があることを知っている。なにごともまず「格好」が肝心ですよ!

冒頭には、ポルトガルとスペインで177のお墓の向きを調べると、北から東向きに測って105度が最多で、夏至での日の出方向(60度)から冬至での日の出方向(130度)までの間に限られていたという話もあるが、評者は本書から初めて知った。

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