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Book Reviewこだわり天文書評

金井三男さんのWebオリジナルレビューと「星ナビ」月刊ほんナビを掲載しています(不定期更新)。▼天文・宇宙関連書の最新刊リストも掲載。

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金井三男のこだわり天文書評 第百三十九回(12/20)

■宇宙から帰ってきた日本人■宇宙の地政学■理科年表2020

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星ナビ「月刊ほんナビ」(原智子さん他) 星ナビ2019年12月号(12/20)

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金井三男さん 金井 三男(かない みつお)

1974〜1989年に東京・渋谷にあった五島プラネタリウムで解説員として活躍の後、(株)東急コミュニティーにて後輩の指導・育成に携わる。現在は首都圏10か所のカルチャーセンターで毎月講演会を行っている。月刊「星ナビ」で、独自の視点から天文や宇宙を追究する「金井三男のこだわり天文夜話」を連載中。

新着レビュー

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

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宇宙から帰ってきた日本人 日本人宇宙飛行士全12人の証言
 

宇宙から帰ってきた日本人 日本人宇宙飛行士全12人の証言

  • 稲泉連 著
  • 文藝春秋
  • 18.8×13.2cm、255ページ
  • 2019年11月
  • ISBN 978-4163911076

表題にあるとおり、本書は秋山豊寛・向井千秋・金井宣茂・古川聡・山崎直子・毛利衛・大西卓哉・油井亀美也・星出彰彦・野口聡一・土井隆雄・若田光一の12名宇宙飛行士の貴重な経験とそれに基づく貴重な意見が語られている。実に貴重な本である。

たとえば地球上には水も空気も大量にあるから、若干汚してもたいしたことはないと考えていたが、ISSに行ってからは正反対に変わったという油井さんの話。海が青く見える、マーブル地球だからと言って、チベット高原の氷河を撮影しようとした際、余りにもそれが少ししかないことに衝撃を受け、地球環境の壊れやすさを痛いほど痛感したという。一方、例の台風19号による莫大な水害。科学技術や医療などは相当にデカいかもしれないが、大部分の人は地球系の現状には気づいていない。

大西さんは、マーブル地球が点のように小さくなる火星に行けば、きっと安心感は消滅するだろうと予想する。火星や木星など帰ることができなくなるほど遠くに行くと、精神では計り得ない不安や恐怖に陥るはずと断言する。ISSからの帰還時に、喩え得ない心細さを感じたそうだ。宇宙に行って人生観が全く変わったという。その他、宇宙に行った後、超新星発見、米国のライス大学で天体物理学の博士号を取得した土井さんや、4度も宇宙に行き、4度目はISS船長になった若田さんの話も面白い、絶対お勧め。

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宇宙の地政学 科学者・軍事・武器ビジネス 上
 

宇宙の地政学 科学者・軍事・武器ビジネス 上

  • ニール・ドグラース・タイソン 著、エイヴィス・ラング 著、北川蒼 訳、國方賢 訳
  • 原書房
  • 19.7×13.8cm、320ページ
  • 2019年10月
  • ISBN 978-4562057009

この半世紀毎月読んでいるアメリカの天文誌Sky & Telescopeを求めて丸の内のM書店に行った際、宇宙科学書コーナーで見つけた本書。1回目は上巻だけにしておこうと思い、帰宅のために電車に乗った途端、失敗したと思った。下巻も読むべきだと思ったのだ。それほどに本書はこれまでにない衝撃的内容の本なのだ。上巻1ページ目の巻頭言「なぜ天体物理学者に仕事があるのか、不思議に思ったことのあるすべての人に」である。次々ページにあるリンカーンの言葉「敵と友人になれば、敵を滅ぼしたことになるのではないか?」と言うのも実に意味深だ。オモシロイの一言。

天測航法から始まって、占星術、暦学、天体物理学の発展など、一見軍事とは無関係に思えていたことが、ロケット技術などの発展によって今や宇宙から地球を見ることの飛躍的進歩がもたらされ、宇宙軍の創設など安全保障に欠くべからざる状況になっていることが、本書で明確に示されている。上巻68ページにある、紀元前1963年2月26日(日本時間では27日)に起こった金星・土星・火星・水星と0.5度範囲に収まる4惑星集合、やや離れて木星、さらに離れて月が明け方の空に並ぶトンデモナイ会合は、正しく歴史的なことだったに違いないと評者は考える。実はこれが中国暦学の始まりだった可能性があるという。352ページの厚い(熱い)本をゆっくりとご堪能ください。

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宇宙の地政学 科学者・軍事・武器ビジネス 下
 

宇宙の地政学 科学者・軍事・武器ビジネス 下

  • ニール・ドグラース・タイソン 著、エイヴィス・ラング 著、北川蒼 訳、國方賢 訳
  • 原書房
  • 19.6×13.8cm、320ページ
  • 2019年10月
  • ISBN 978-4562057016

上巻は歴史時代から現代に至る天文学と軍事についての歴史が語られた内容だったが、下巻は20世紀半ばから未来に至るそれを語った本である。よって、若い皆さんに、より一層おすすめの本。著者の一人タイソン氏は、ニューヨークにある世界的に有名なヘイデン・プラネタリウムの館長で天体物理学者、もう一人のラング氏も同館の研究員なので、お付き合いはないが評者の仲間である。タイソン氏は、皆さんもお読みになったかもしれない『忙しすぎる人のための宇宙講座』『ブラックホールで死んでみる』の著者である。

下巻は電波天文学から始まる。早速、電波望遠鏡とスパイ衛星の話。ジョドレルバンク電波天文台、そのそもそもの始まりが、レーダーを使ったナチスのV2ロケットの探知が急務だったことからであった。よって、電波天文学が軍事と深く結びついていたことは旧知の事実だった。だが、これまでに同電波天文台の歴史が詳しく紹介されたことは、日本ではほとんどなかった。やがてアメリカのベラ・ホテル(軍事)衛星が発見したのは、軍事対象のものではなく、皮肉にも宇宙で最大規模の爆発γ線バーストだった。評者が毎晩その変光を観測しているベテルギウスの、やがて来る爆発時にもそれが起こるはずだ。

スパイ衛星の話など物騒なものだけではなく、以下7〜9章は、天文学が発展することによって、覇権争いに明け暮れる地球の救世主になるということが予想されるとも書かれている。

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理科年表2020
 

理科年表2020

  • 国立天文台 編
  • 丸善出版
  • 15×10.9cm、1162ページ
  • 2019年11月
  • ISBN 978-4621304259

理科系関係者なら、天文地球物理の人だけでなく誰もがお世話になったことがあり、毎年刊行される年表だが、近年は面白いトピックスも掲載されるようになった。2020年号には天文関係で、同年6月10日(時の記念日)が制定100周年であることや、令和関連の記事、史上初のブラックホールシャドウ撮影成功、アルマ望遠鏡の最新成果(うみへび座TW星)、ハッブル・ルメートルの法則の記事が面白い。中でも令和という年号(元号とも)が、政府発表では万葉集初記載とされたが、実はさらに600年遡る張衡の帰田賦によるという本書評第134回でご紹介した東京古典研究会の皆さんの主張を、理科年表編纂者の皆さんも読んだのだろう。繰り返して申し上げるが、同書は評者の住まい近くの書店でのみ販売されていた貴重書なので、おそらく本書評から情報を得たに違いない。

本日購入してきてすぐさま書いている書評なので、細かいデータ内容についてはまだ検討できていないが、紹介パンフレットには基礎物理定数の項目改定や、気象災害データも大幅更新、火山・地震情報も大幅改訂・増補、新規項目として地球温暖化が生態系に与える影響についても新規に掲載しているという。やはり、科学の進歩発展はものすごいのだ。

理科年表をきっかけにして、若い人から老人まで、科学に関心をお持ちになる人が増大することを、評者は切に願って止まないのだ。

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新刊情報

12月20日掲載

ガリレオ

  • 山本省三 著、伊藤和行 著、カサハラテツロー 著
  • 講談社
  • ISBN 978-4065180822

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国立天文台教授が教える ブラックホールってすごいやつ

  • 本間希樹 著
  • 扶桑社
  • ISBN 978-4594083625

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星空ガイド2020

  • 藤井旭 著、企画、原案
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416719473

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未来をひらく 宇宙のことば

  • 産業編集センター 編
  • 産業編集センター
  • ISBN 978-4863112513

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第二の地球が見つかる日 太陽系外惑星への挑戦

  • 渡部潤一 著
  • 朝日新聞出版
  • ISBN 978-4022950468

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無から生まれた世界の秘密 宇宙のエネルギーはなぜ一定なのか

  • P. Atkins 著、渡辺正 訳
  • 東京化学同人
  • ISBN 978-4807909704

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宇宙にひろがる文明 シリーズ 宇宙総合学 4

  • 京都大学宇宙総合学研究ユニット 編
  • 朝倉書店
  • ISBN 978-4254155242

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人類はなぜ宇宙へ行くのか シリーズ 宇宙総合学 3

  • 京都大学宇宙総合学研究ユニット 編
  • 朝倉書店
  • ISBN 978-4254155235

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人類は宇宙をどう見てきたか シリーズ 宇宙総合学 2

  • 京都大学宇宙総合学研究ユニット 編
  • 朝倉書店
  • ISBN 978-4254155228

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人類が生きる場所としての宇宙 シリーズ 宇宙総合学 1

  • 京都大学宇宙総合学研究ユニット 編
  • 朝倉書店
  • ISBN 978-4254155211

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藤井 旭の天文年鑑 スターウォッチング完全ガイド 2020年版

  • 藤井旭 著
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416719466

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そうだいすぎて気がとおくなる 宇宙の図鑑

  • 渡部潤一 監修
  • 西東社
  • ISBN 978-4791628742

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読むだけで人生観が変わる 「やべー」宇宙の話

  • 気になる宇宙 著、榎戸輝揚 監修
  • KADOKAWA
  • ISBN 978-4046045157

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ハビタブルな宇宙 系外惑星が示す生命像の変容と転換

  • 井田茂 著
  • 春秋社
  • ISBN 978-4393332320

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増補新版 星の文化史事典

  • 出雲晶子 著、編
  • 白水社
  • ISBN 978-4560097137

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星と星座

  • 渡部潤一 監修、講談社 編
  • 講談社
  • ISBN 978-4065175934

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星を楽しむ 天体観測のきほん 月食、日食、流星群、彗星、宇宙で起こる現象を調べよう

  • 大野裕明 著、榎本司 著
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416619513

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宇宙は無限か有限か

  • 松原隆彦 著
  • 光文社
  • ISBN 978-4334044459

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11月20日掲載

天文年鑑 2020

  • 天文年鑑編集委員会 編
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416719480

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銀河のすべて 増補第2版

  • ニュートンプレス
  • ISBN 978-4315521962

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宇宙から帰ってきた日本人 日本人宇宙飛行士全12人の証言

  • 稲泉連 著
  • 文藝春秋
  • ISBN 978-4163911076

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月でたんじょうパーティーをひらいたら

  • ジョイス・ラパン 著、縣秀彦 監修、ソモーナ・チェッカレッリ イラスト、原田勝 訳
  • 廣済堂あかつき
  • ISBN 978-4867020203

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ディズニーでまなぼう アナと雪の女王 夜空のひみつ

  • ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 監修
  • KADOKAWA
  • ISBN 978-4049126389

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星宙の飛行士 宇宙飛行士が語る宇宙の絶景と夢

  • 油井亀美也 著、林公代 著、宇宙航空研究開発機構 著
  • 実務教育出版
  • ISBN 978-4788908000

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これからはじまる宇宙プロジェクト 2019-2033

  • エイ出版社編集部 編
  • エイ出版社
  • ISBN 978-4777957385

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こぎつねチロンの星ごよみ

  • 日下熊三 著
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416919057

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宮沢賢治の地学実習

  • 柴山元彦 著
  • 創元社
  • ISBN 978-4422440187

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10月21日掲載

シリーズ現代の天文学17 宇宙の観測III 高エネルギー天文学

  • 井上一 編、小山勝二 編、高橋忠幸 編、水本好彦 編
  • 日本評論社
  • ISBN 978-4535607675

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宇宙の謎 暗黒物質と巨大ブラックホール

  • 二間瀬敏史 著
  • さくら舎
  • ISBN 978-4865812206

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月のこよみ 2020 366日の月の満ち欠けがわかる

  • 相馬充 監修
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416719404

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世界でいちばん素敵な月の教室

  • 浦智史 監修、日本星景写真協会 写真、NASA 写真
  • 三才ブックス
  • ISBN 978-4866731544

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星・星座のクイズ図鑑 新装版

  • 藤井旭 監修
  • 学研プラス
  • ISBN 978-4052050404

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星空手帖 2020

  • 星の手帖社 編、吉村禎夫 イラスト
  • 星の手帖社
  • ISBN 978-4902450484

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「宇宙」紙ヒコーキ

  • 戸田拓夫 監修
  • 宝島社
  • ISBN 978-4800297686

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みんなが知りたい! 宇宙のひみつがわかる本

  • 永田晴紀 監修
  • メイツ出版
  • ISBN 978-4780422429

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SPACE SHUTTLE 美しき宇宙を旅するスペースシャトル写真集

  • ルーク・ウェズリー・プライス 著、柳川孝二 監修
  • 玄光社
  • ISBN 978-4768312384

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天体観測手帳2020

  • 早水勉 著
  • 技術評論社
  • ISBN 978-4297107048

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時間は存在しない

  • カルロ・ロヴェッリ 著、冨永星 訳
  • NHK出版
  • ISBN 978-4140817902

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