宇宙エレベーターやデブリ対策の技術実証、小型衛星を選定
【2014年10月3日 JAXA】
JAXAは先月、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟から軌道上に放出する超小型衛星の選定結果を発表した。今年4月から5月にかけての応募から選ばれたのは、軌道エレベーターなどで利用するテザーを展開する「STARS-C」(静岡大学)、宇宙ごみ対策の技術を実証する「FREEDOM」(東北大学と中島田鉄工所)、そして「EGG」(東京大学)、「ITF-2」(筑波大学)、「WASEDA-SAT3」(早稲田大学)の5基だ。いずれも1辺10~30cmの立方体で、今後の宇宙利用への応用が期待される技術実証を目指す。
2016年度上半期の間に、ISSに輸送されて「きぼう」から軌道上に放出される予定となっている。
「STARS-C」イメージ図。2つの衛星をケーブルで繋ぎ、将来の宇宙エレベーターなどにとって重要なテザー展開技術を実証する(提供:STARS-Cプロジェクト)
宇宙デブリ問題を解決する技術を実証する「FREEDOM」。1~1.5m2の薄膜を広げ、空気抵抗で早期に軌道上から離脱・落下させる(提供:東北大学)
〈参照〉
- JAXA: 平成28年度上期打上げ機会「きぼう」放出超小型衛星(無償の仕組み)の選定結果について
- 静岡大学: 静岡大学提案の超小型衛星が国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟からの放出衛星に選定~宇宙エレベーターの基礎技術検証実験を実施~ PDF
- 東北大学: 宇宙ゴミ問題に解決の糸口を 膜展開式軌道離脱装置実証衛星「FREEDOM」が「きぼう」放出超小型衛星として採択決定
〈関連リンク〉
- 香川衛星開発プロジェクトSTARS(静岡大学): http://stars.eng.shizuoka.ac.jp/
- 筑波大学ネットワーク衛星「結」プロジェクト: http://yui.kz.tsukuba.ac.jp/
- 早稲田大学: http://www.waseda.ac.jp
- JAXA宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター: http://iss.jaxa.jp/
- JAXA新事業促進センター: http://aerospacebiz.jaxa.jp/
- 星ナビ.com こだわり天文書評:
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