西村さん、新彗星を発見

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静岡県の西村栄男さんが22日未明、新彗星「西村彗星」を発見した。1994年の「中村・西村・マックホルツ彗星」以来となる、西村さんの名前が付けられた2つ目の彗星となる。

【2021年7月26日 CBETMPEC

静岡県の西村栄男さんが7月22日3時45分ごろ(日本時、以下同)、ぎょしゃ座の領域に約11等級の新天体を発見した。

その後、金子静夫さん、野口敏秀さんほか多数の日本の観測者によりこの天体がとらえられ、移動やコマが拡がっている様子などが確認された。既知の天体でないことも確認されたことから、「西村彗星」(C/2021 O1 (Nishimura))と命名された。

野口さん撮影の西村彗星
西村彗星(撮影:野口さん)。24日3時35分ごろ撮影。画像クリックで天体写真ギャラリーのページ

門田さん撮影の西村彗星
西村彗星(撮影:門田健一さん)。25日3時15分ごろ撮影

西村さんは今年3月の新星発見など長年にわたり活躍されている新天体捜索者だ。1994年7月には中村正光さん、アメリカのD. マックホルツさんと前後して中村・西村・マックホルツ彗星(C/1994 N1)を発見しており、今回は西村さんにとって27年ぶりとなる2個目の新彗星発見となった。発見時にはタットル彗星(8P)がわずか数度離れたところにあり、最初はタットル彗星の急増光だと思ったそうだ。


西村彗星は今後ふたご座を東進し、8月1日にふたご座のカストルに大接近する。その後はかに座へと移動する。8月前半ごろまで明け方の北東の低空に見え、明るさは11等前後と予想されている。

地平座標の星図 赤道座標の星図
7~8月の星図(場所の設定は東京)。日付横の括弧内は予想等級。彗星は模式的に表現している。画像クリックで表示拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)

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