活発な出現が観測された10月りゅう座流星群
【2018年10月12日 佐藤幹哉さん(日本流星研究会)/国際流星機構/流星電波観測集計センター】
2018年10月8日の深夜(世界時、以下同)、10月りゅう座流星群(通称:ジャコビニ流星群)の活発な出現が観測された。
筆者らが事前に行ったダスト・トレイルモデルの解析では、今年の10月りゅう座流星群は出現自体は期待されるものの、数はさほど多くないだろうとみられていた。しかし、期待以上の出現となったもようだ。
筆者ら3名の観測隊(佐藤幹・佐藤智・土屋)は、アイスランドのフッサフェル(Husafell)郊外にて観測に臨み、10月8日23時~23時35分の35分間に34個(1時間あたりに換算して58.3個)の流星を眼視にてとらえた。少なくとも21時台~24時台は活動が活発であったことがうかがえたが、残念ながら明るいオーロラに阻まれ、正確なピークはとらえきれなかった。
10月りゅう座流星群の流星。オーロラの影響で背景が緑になっている。画像クリックで表示拡大(撮影時刻はファイル名参照)
国際流星機構の速報集計では、23時ごろにZHR(理想的な条件下での1時間あたりの出現数)=127の極大がとらえられている。また、杉本弘文さんによる電波観測の集計では、23時30分ごろにきれいなピークが認められる。
10月りゅう座流星群の出現数グラフ。横軸は日時(世界時)、縦軸はZHR(理想的な条件下での1時間あたりの出現数)(提供:国際流星機構)
ダスト・トレイルモデルによる極大予報は、23時31分(Vaubaillonさん)、23時34分(Maslovさん)、0時14分(筆者)で、一応近い時間帯での出現となったが、出現規模は予報よりもかなり大きいものであった。今後の詳しい解析が必要となりそうである。
※「星ナビ」12月号(11月5日発売予定)で詳細記事を掲載予定です。
〈参照〉
- 国際流星機構:Draconids 2018 campaign
- 流星電波観測集計センター:2018 10月りゅう座流星群
〈関連リンク〉
- 国際流星機構(IMO)
- 流星電波観測集計センターへようこそ
- アストロアーツ 天体写真ギャラリー:流星
関連記事
- 2020/12/24 2021年1月3日 しぶんぎ座流星群が極大
- 2020/12/15 2020年12月22日 こぐま座流星群が極大
- 2020/12/08 2020年12月14日 ふたご座流星群が極大
- 2020/11/18 可視光線と電波で10等級までの微光流星を同時観測
- 2020/11/13 【特集】ふたご座流星群(2020年)
- 2020/11/11 2020年11月17日 しし座流星群が極大
- 2020/11/05 2020年11月12日 おうし座北流星群が極大
- 2020/10/14 2020年10月21日 オリオン座流星群が極大
- 2020/10/01 2020年10月8日 10月りゅう座流星群が極大
- 2020/08/05 2020年8月12日 ペルセウス座流星群が極大
- 2020/07/10 【特集】ペルセウス座流星群(2020年)
- 2020/04/24 2020年5月6日 みずがめ座η流星群が極大
- 2020/04/16 2020年4月22日 4月こと座流星群が極大
- 2020/01/22 連星の地球接近小惑星を起源とした火球
- 2019/12/26 2020年1月4日 しぶんぎ座流星群が極大
- 2019/12/16 2019年12月23日 こぐま座流星群が極大
- 2019/12/09 2019年12月15日 ふたご座流星群が極大
- 2019/11/13 【特集】ふたご座流星群(2019年)
- 2019/11/12 2019年11月18日 しし座流星群が極大
- 2019/11/01 2019年11月上旬 おうし座南・おうし座北流星群が極大