塵に隠れたブラックホールを持つ銀河は群れて分布

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【2014年5月23日 NASA

NASAの赤外線衛星の観測から、塵に隠れたブラックホールを持つ銀河は、隠れていないブラックホールを持つ銀河より群れて分布する傾向にあることがわかった。単なる見かけ上の違いと考えられてきた塵の有無には、何か別の理由があるのかもしれない。


ブラックホールを取り巻く塵のドーナツ構造

従来は、ブラックホールを取り巻く塵のドーナツ構造の傾きが、見かけの違いを生む要因として考えられてきた。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/NOAO/AURA/NSF/ESO)

銀河の群れ全体を大きく取り囲むダークマター

銀河の群れ全体を大きく取り囲むダークマター(紫)。WISEによる「ろ座銀河団」の画像を強調処理したもの。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech)

ほとんどの大規模な銀河には、その中心核に超巨大質量ブラックホールがひそんでいる。その一部は、周囲のガス物質を重力で引き寄せて膨大なエネルギーを放出し、明るく輝く「活動銀河核」(AGN)として観測される。

これらの“光るブラックホール”は本質的には全て同じはずだが、塵でさえぎられたものと、そうでないものとがある。これは、ブラックホールを取り囲むドーナツ構造の見かけの傾きの違いによるというのがこれまでの一般的な見方だった(画像1枚目)。

だが、NASAの赤外線天文衛星「WISE」が観測した17万を超す活動銀河核のデータから、塵にさえぎられたブラックホールの方がむき出しのものに比べてより群れている傾向が見出された。もし見え方の違いがドーナツ構造の傾きによるものなら、それぞれの分布はランダムなはずだ。今回の結果が偶然ではないとすれば、塵の有無に影響する別の理由を検討する必要がある。

また、銀河を取り囲むダークマター(直接観測できない未知の重力源)も分布の違いに関わっている可能性がある。塵に覆われたブラックホールを抱く銀河が群れをなしているということは、その群れを取り巻くより大規模なダークマターの構造があるということにもなる(画像2枚目)。ダークマター自体がブラックホールを隠すわけではないが、その重力が何らかの作用を起こしているのかもしれない。

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