日本惑星協会が活動再開

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2011年に活動を停止していた「日本惑星協会」が、7月21日に活動を再開した。

【2015年7月21日 日本惑星協会

「日本惑星協会」は1999年に活動をスタートした市民団体で、「太陽系惑星と地球外知的生命の探査(SETI)の推進」を掲げて立ち上げられたアメリカの「惑星協会」(1980年スタート)の趣旨に賛同したものだ。2011年に活動を停止していたが、本日7月21日に設立宣言を果たした。協会推進事務局の井本昭事務長は「宇宙への関心が高まるとともに、市民も宇宙探査に参加できる場が求められていると感じていた。情報提供だけでなく、宇宙機関への提言にも取り組みたい」(毎日新聞より)と訴える。

新たに発足する協会は水谷仁氏(科学誌『ニュートン』編集長)が会長に就き、協会に対して運営チーム外から助言・提言を行う「アドバイザリーカウンシル」を設置した。カウンシルには天文教育の第一線で活躍される縣秀彦氏や天文学会役員、JAMSTEC(海洋研究開発機構)の研究者も名を連ねている。「今後の太陽系科学教育・探査を側面から支援、促進を行える団体としたい。中高生など若い方々が関心を持つに留まらず、積極的に関与すべきと考えており、そのためにも教育関係者の助言が必要だ」(井本さん)という趣旨に基づくもので、長い道程を想定して今後の活動に当たるという強い意思が感じられる。

カール・セーガン
カール・セーガン(提供:JPL/NASA)

再スタートを切った日本惑星協会は「太陽系科学教育・探査促進」と「地球外生命探査の啓発活動」という2つの看板を掲げており、JAMSTECの研究者がカウンシルに参加する理由がうかがえる。井本さんは「一般からは相当のバイアスが掛かる協会運営となるが、持続性を重視した活動を念頭に置きこれに当たりたい。(アメリカ惑星協会設立者の一人でもある)カール・セーガンが求めた、『人類は宇宙というコミュニティーに参加している己を祝福できる』ことを、世代を重ねて生き続ける市民に伝えていきたい」と再スタートの決意を語っている。

「はやぶさ2」「あかつき」といった日本主導のプロジェクト、「ニューホライズンズ」「ロゼッタ」など世界各国の探査、民間のロケット打ち上げや国際宇宙ステーション利用など、幅広い話題が注目を集めている。「情報提供だけでなく、宇宙機関への提言にも取り組みたい」という意思のもと、日本惑星協会が今後どのような活動を展開してくれるのか、市民への大きなプレゼントとなることを願い期待を持って見守りたい。

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