地域の力で誕生した新ドーム 阿南市科学センター「日亜プラネタリウム」
【2026年5月18日 今村和義さん】
阿南市科学センター(徳島県)にこの春、新しいプラネタリウムドーム「日亜プラネタリウム」が誕生しました。一般財団法人「日亜ふるさと振興財団」からの寄贈を受けて整備されたもので、4月17日(金)に贈呈式を行い、翌18日(土)に一般向けにリニューアルオープンしました。

寄贈式典
同センターでは2011年から直径約5mの布製エアドームを運用してきましたが、長年の使用により老朽化が進んでいました。今回の新ドームは直径約7mと大きくなったことで観覧性と快適性が大きく向上し、定員を最大40名程度まで増やすこともできました。半球スクリーンの面積もほぼ2倍に広がり、より没入感のある星空体験が可能になっています。投映システムには2021年に更新したアストロアーツ製の「ステラドームモバイル」を使用しています。

投映の様子
特筆すべきなのは、住宅などにも用いられる国産ドームハウスの技術をプラネタリウムに応用して設計された点です。ドーム躯体には特殊発泡ポリスチレンが使われ、優れた耐久性と遮音性を備えています。既製品の技術を活用することで、建設の実現性が高い点も特徴です。このような事例は西日本では初の試みです。
建設にあたり、内部の半球スクリーンは職人の手作業で凹凸を平滑に整え、継ぎ目が目立たないよう丁寧に仕上げられました。暗幕カーテン、調光式の間接照明と足元灯、吸排気ファン、可動式ベンチ、クッション性を持たせた内壁なども備え、観覧空間として細やかに設計・施工されています。また、フロアは絨毯張りで、利用者は靴を脱いで入場します。そのため、通常の着席観覧だけでなく、寝転がって星空を楽しむような、より開放的な活用も視野に入れています。

日亜プラネタリウムの外観。(右上)建設中の様子
寄贈の背景には、地域の科学教育に役立つ象徴的な支援を形にしようという財団の思いがありました。加えて、ドームハウスという既製品をプラネタリウムへ応用し、それを施工できる工務店が阿南市内にあったことも大きな要素です。日亜化学工業という地元企業を母体とする財団の支援、地域の施工力、そして科学教育施設としての阿南市科学センターの役割が重なって実現した、まさに地域性の高いプロジェクトといえるでしょう。
阿南市科学センターにとって、このような新しいプラネタリウムドームが整備された意義は小さくありません。運用面では、1回30分の生解説を基本とし、お客さんとの対話や反応を大切にしながら投映を行っていく予定です。子どもたちにとっては宇宙への入口として、市民にとっては地域の星空の魅力を再発見できる場として、「日亜プラネタリウム」を今後大切に活用していきたいと考えています。
〈関連リンク〉
- 阿南市科学センター
- 日亜ふるさと振興財団
- アストロアーツ:ステラドーム
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