太陽セイル「イカロス」、冬眠モードから3度目の目ざめ

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【2014年5月29日 JAXA宇宙科学研究所

5月22日、打ち上げから4年目を迎えた太陽セイル「イカロス」の電波が受信され、3度目の“冬眠明け”が確認された。


宇宙で帆を広げたイカロスの姿

打ち上げ翌月の2010年6月、「イカロス」の分離カメラが撮影した帆の全景。将来の太陽系探査のための技術実証ミッションを全てこなし、現在は“悠々自適”の身だ。クリックで拡大(提供:JAXA)

2010年5月に打ち上げられた小型ソーラー電力セイル実証機「イカロス」は、太陽光圧を利用した航行や薄膜太陽電池による発電などの技術実証ミッションを全てクリアした後、現在も約10か月周期で太陽の周りを回っている。

1周のうち7か月間は太陽電池による発生電力が不足して機器がシャットダウン状態(冬眠モード)になるが、それ以外の期間は冬眠モードから明けた状態となり、通信が可能になる。

今年4月にイカロスが冬眠モードから明けたと予想した運用チームは、姿勢・軌道の予測に基づいて探索を行い、5月22日に2億3000万km彼方のイカロスからの電波受信に成功した。6月ごろまでイカロスの状態を確認するためのデータを継続して取得し、解析作業を行う。