ブルーオリジン、顧客を乗せ高度100kmの宇宙旅行に成功

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米・宇宙企業ブルーオリジンは、7月20日に宇宙船「ニューシェパード」を打ち上げた。顧客を含む4名が搭乗したカプセルは高度107kmに到達し、同社初の有人宇宙飛行に成功した。

【2021年7月21日 ブルーオリジン

米・宇宙航空企業ブルーオリジンの再利用型・準軌道飛行用ロケット「ニューシェパード(New Shepard)」が、日本時間7月20日22時ごろに米・テキサス州の発射場から打ち上げられた。

「ニューシェパード」の打ち上げ
「ニューシェパード」の打ち上げ(提供:ブルーオリジンのライブ中継動画「Replay - New Shepard First Human Flight」より、以下同)

ロケットに搭載された完全自動操縦のカプセルには、ブルーオリジンを創業したジェフ・ベゾスさんと弟のマーク・ベゾスさん、1960年代に女性飛行士候補だったウォーリー・ファンクさん(宇宙旅行の最年長記録)、旅費を支払う初の顧客であるオリバー・デーメンさん(宇宙旅行の最年少記録)の4人が搭乗した。打ち上げから約3分後にカプセルは高度100km付近でロケットから切り離され、高度107kmの宇宙空間へ到達し、船内は約5分間無重力となった。

ロケットに取り付けられたカメラが上空からとらえた画像
ロケットに取り付けられたカメラが上空からとらえた画像

その後、カプセルは大気圏に再突入し、打ち上げから約10分後にパラシュートを開いて地上へ着陸した。一方、打ち上げロケットは垂直状態で地球へ帰還し、そのまま発射場へ着地した。

パラシュートで降下中のカプセル
パラシュートで降下中のカプセル

垂直状態で発射場へ戻り着地するロケット
ロケットが垂直状態で発射場へ戻り着地する様子

民間企業による顧客を乗せた有人飛行で、上空100kmの「カーマンライン」と呼ばれる高度(国際的に宇宙との境界とされる高度)を越えたのは、今回が世界初である。また、82歳のファンクさんは宇宙飛行の最年長記録を、18歳のデーメンさんは最年少記録をそれぞれ更新した。

ブルーオリジンでは年内にさらに2回の宇宙飛行を予定しているほか、2022年にはより多くの宇宙飛行を計画している。

ライブ中継動画「Replay - New Shepard First Human Flight」(提供:BLUE ORIGIN)