1年が8.5時間の惑星

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【2013年8月20日 NASA

地球の時間感覚でいうと、一晩寝ればもう年が明ける。そんな惑星が太陽系外にはいくつか発見されている。主星に極端に近いこうした惑星は、地球とは全く異なる様相を見せる。


ケプラー78bのイメージ図

惑星の1年が短いということはそれだけ主星に近い軌道を持つということになり、表面はひじょうに高温と推測される(提供:Cristina Sanchis Ojeda)

リアクションホイール(姿勢制御機構)の故障により本来の系外惑星探査ミッション終了を余儀なくされたNASAの衛星「ケプラー」だが、これまでの取得データからはまだまだ多くの発見がありそうだ。

米マサチューセッツ工科大学の研究チームがケプラーの観測から発見したのは、はくちょう座の方向700光年彼方の恒星をわずか8.5時間で回る地球サイズの惑星だ。公転周期が短いということはそれだけ主星に近いということでもあり、主星であるケプラー78の表面からはその直径分しか離れていない。当然それだけ温度も高く、摂氏2000〜3000度にもなる惑星の表面はどろどろに溶けた状態と推測される。

これだけ近いと、惑星が主星に及ぼす重力的な影響を検出できる可能性がある。それをもとに、地球サイズの惑星としては初めて質量を測定できるかもしれない。

また同じメンバーを中心に行われた研究で、さらに公転周期が短い惑星についての新たな成果も発表されている。こと座の方向にあるKOI 1843の惑星は、わずか4時間あまりで主星の周りを一周してしまう。こうした極端に主星に近い惑星が強力な潮汐力を受けながらも壊されずに済んでいるということは、かなり高密度、おそらくほぼすべて鉄でできた惑星と考えられるという。


ステラナビゲータで系外惑星の位置を表示

ステラナビゲータでは、700個を超える「惑星の存在が確認された恒星」を追加天体として「コンテンツ・ライブラリ」で公開しており、ケプラー78やKOI 1843(中心星)が存在する方向を星図に表示できます。ステラナビゲータをご利用の方は、ステラナビゲータの「コンテンツ・ライブラリ」からファイルをダウンロードしてください。

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