月探査機の愛称は「エブ&フロー」 小学4年生が命名

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【2012年1月18日 NASA

月周回軌道に入った「グレイル」ミッションの探査機2機の愛称が「エブ」と「フロー」に決定した。応募したモンタナ州の小学校は特典として、ミッションで観測する地点を選ぶプログラムにも参加する。


子どもたちによる愛称発表

命名者となった子どもたちによる愛称発表のようす。動画も公開されている(提供:NASA/JPL-Caltech)

月の重力場を測定する「エブ&フロー」

地上の「エブ&フロー」を生み出す月の重力を測定する2機(提供:NASA/JPL-Caltech)

2011年9月に打ち上げられ、2011年の大晦日と2012年の元日に月周回軌道に相次いで投入された2機の探査機「グレイル(GRAIL)」の愛称が「エブ(Ebb)」と「フロー(Flow)」に決定した。アメリカ初の女性宇宙飛行士Sally RideさんとミッションメンバーのMaria Zuberさんが選考し、全米(いくつかは国外から)の小中高校から寄せられた890件から、モンタナ州のEmily Dickinson小学校4年生の子どもたちが応募したものが選ばれた。

「エブ&フロー(Ebb and Flow)」は、波が寄せては返す様や、潮の満ち引きなどを表す1対の語句として使われる。「グレイル」ミッションでは、2機が月の上空を組になって飛び、引力による編隊のわずかなブレを測定して月の重力場を調査する。月の引力は地球の潮の満ち干きに影響を及ぼすことから、ピッタリの命名といえるだろう。

グレイルの科学観測は3月に本格開始する予定だが、メインとなる重力場測定のほかに、小中学生が観察してみたい月の場所をリクエストし、搭載の小型カメラ「MoonKAM」で観測するという教育プログラムも実施される。愛称が採用されたクラスの生徒たちには、特典としてこのプログラムのリクエスト第1号の権利が与えられることになっている。