若田さん、PMA-3の取り付けに成功

【2000年10月17日】

<リソース> ※日付は日本時間

アメリカ時間11日夜(日本時間12日朝)に打ち上げられたスペースシャトル「ディスカバリー号」(STS-92/3A)の任務が続いている。今回の任務は、国際宇宙ステーション(ISS)の組み立て作業で、主な作業は「Z1トラス」「PMA-3」のISSへの取り付けである。

飛行6日目のアメリカ時間10月16日、若田飛行士はロボットアームを操作して、ISSとスペースシャトルを連結するドッキングポートである「PMA-3」を取り付けることに成功した。作業は2人のEVA(船外活動)クルー(ジェフ・ワイゾフ、マイケル・ロペズ−アレグリア)との共同により進められた。2人のEVAクルーは、先日、若田飛行士の手によりISSに取り付けられた「Z1トラス」に大型太陽電池パドル(次回のシャトルフライトで取り付け予定)を取り付けるための準備作業も行なった。EVAはアメリカ中部夏時間16日午前9時15分(日本時間16日午後11時15分)に開始され、7時間7分にわたった。

その後、一仕事終えた若田さんからビデオメッセージが届いた。

このビデオの中で若田さんは無重量の宇宙での野球ボールの動きを披露し、地上と宇宙でのボールを投げる感覚の違いを説明した。そしてこう語った。「ひとつ無重力での野球の問題はバットで打つとそれが全部ホームランになってしまうことですね。きっと無重力の新しい野球のルールが必要になると思います。」

今回のミッション中に取り付けられた「Z1トラス」の重量は8.1トン、「PMA-3」は1.35トンで、これでISSの重量は約80トンになった。

EVAの終了後、ディスカバリー号のスラスター(小型推進器)を用いてISSの軌道を持ち上げる作業の第1回目が行なわれた。これにより、ISSの軌道は約2.7キロメートル上昇した。今回のフライト中には、あと2回の同様の作業が予定されている。

なお、今回のミッションは、20世紀最後のスペースシャトルのフライトであり、シャトル史上100回目の打ち上げ、99回目の飛行である。

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