月刊ほんナビ 2026年8月号

📕 「星を眺め宇宙を学ぶ絵本と児童書」

紹介:原智子(星ナビ2026年8月号掲載)

アストロアーツの天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」を活用して描いた絵本『よぞらの おまつり』の制作陣を取材し、絵の原画を拝見した(本誌に該当記事)。これまで当コーナーでさまざまな絵本を紹介してきたが、あらためて「絵本の絵は物語世界を可視化し、読み手の創造力をふくらませてくれる重要な要素だ」と実感した。今回紹介するほかの絵本にも、素晴らしい絵が描かれている。

『よぞらの おまつり』(Amazon)

さて、『よぞらの おまつり』の内容は別記事でたっぷり紹介したので、ここではその時ふれなかった「おりこみふろく」について取り上げよう。2つ折りの小さな読み物で「作者のことば」と、天文監修をした松濤誠之さんによる「おおきなひとのために」と題した星空解説が載っている。この案内を参考にして多くの親子が『よぞらの おまつり』の兄弟のように星空を見上げてくれたら、制作陣も喜ぶに違いない。

『おかえりなさい!はやぶさ』(フレーベル館)

『おかえりなさい!はやぶさ』も『よぞらの おまつり』同様に、幼稚園・保育園での配本や定期購読者を対象にした月刊絵本。擬人化された小惑星探索機はやぶさが目を×にしたり眠ったりしながら、地球への帰還を目指す。そんな絵とお話にふれた幼い子どもは「がんばれ、はやぶさ」ときっと応援するだろう。最後の任務として写した「地球の姿(写真)」には、大人だけでなく子どもも何かを感じるはず。

『お月さま いつもありがとう 地球の生きものと月のはなし』(Amazon)

『お月さま いつもありがとう』の絵もとても印象的で美しい。オサガメ、ヨタカ、サンゴ、マオウなど、多くの動植物が「お月さまありがとう」とその恩恵に感謝する。月夜の静けさに包まれた絵と、ぬくもりにあふれた言葉が、生命の神秘と営みを優しく教えてくれる。読み進めるうちに「地球のすべての生きものが月とつながっている」ことに気付かされる科学絵本だ。巻末には、月の基本解説と登場する生きものの情報を掲載。生命農学研究者による日本語版オリジナル解説も収録している。

『地球は日時計』(Amazon)

次に紹介する『地球は日時計』は、1985年の小学生向け月刊かがく絵本「たくさんのふしぎ」で刊行された作品を、「安野光雅生誕100年記念」として再編集し、ハードカバー版で復刊したもの。40年前は自分で組み立てる工作絵本だったが、今回はよりわかりやすいように飛び出すしかけ絵本になっている。安野さんは初版時に「地球の動きと太陽のかんけいがわかり、それをつくえの上の日時計があらわしているのだとわかったときは、とびあがるほどうれしいもの」という言葉を寄せている。たしかに、地球の自転や公転を知識として知るだけでなく、太陽の作る影(日時計)として可視化されたとき、私たちは地動説を体感する。最後に「自分のすんでいる町の日時計をつくってみよう」と誘われる。工作しながらその仕組みを確かめるワクワク感は、子どもも大人も変わらない。夏休みの自由研究にも良いかも。

『角川まんが科学シリーズ 星と宇宙の科学 地球の危機を回避せよ!』(Amazon)

最後の2冊は、宇宙について学ぶ児童書。『星と宇宙の科学』は、国立天文台が原案・監修を手がけた学習まんが。暦や季節、日食・月食、潮の満ち引きなど、私たちの生活と宇宙を結ぶテーマを物語形式で解説する。ストーリーは子どもが好きな、異世界を舞台にしたファンタジーアドベンチャー。続きが読みたくてページをめくるうちに、天体の動きと暮らしの関係がわかってくる一冊。

『たのしい!宇宙のおはなし』(Amazon)

一方、『たのしい!宇宙のおはなし』はJAXAの吉川真氏が監修を務めている。地球や太陽系など宇宙の疑問に答える形で、解説していく読み物。「宇宙の仕事」の章があるところがJAXAらしい。「宇宙人にあったら」など、「もしものおはなし」も子ども心をくすぐる。宇宙への好奇心を学ぶ楽しさへつなげてくれる。

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