2007年 11月

空がすっかり暗くなったころ、西の低空にはまだ「夏の大三角形」が残っている。天頂付近を見上げると、ペガスス座の「秋の四辺形」がある。そこから南を向けば、みなみのうお座のフォーマルハウトが、北を向けば、W字形のカシオペヤ座が見つかる。このほかに目立つ星は少ないが、ていねいに星を追っていけば、秋の星座が空一面に展開しているのがわかるだろう。

東からは冬の星座が顔を出している。その先頭を行くおうし座のプレアデス星団は、24日の宵に満月近い月に隠される。今年3度目のすばる食で、月がまぶしいものの高度はじゅうぶんの好条件だ。3日後の27日、月は東へ進んで、ふたご座で輝く火星と並ぶ。

午前3時ごろになると、東の空には春の星座であるしし座も昇ってくる。18日未明はしし座流星群の極大だが、予報によれば大した出現は見込めない。それでも、しし座が昇ってくるころには月も沈むので、予想外の突発的出現にも少しだけ期待しつつながめてみたいところだ。

しし座に続いて明けの明星、金星が昇ってくる。そして空が明るくなって日の出が迫ってきたときが、今月最大の注目ポイントだ。水星が9日に西方最大離角を迎え、明け方東の空で高度を上げている。3日から16日までは日の出30分前の高度が10度以上もあり、空気が澄んでいる季節ということもあって観察の絶好機だ。

今月の星空11月

全天星図

図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。

今月の惑星11月

水星

上旬 中旬 下旬
等級 -0.1 -0.7 -0.7
視直径 7.5" 5.9" 5.1"
星座 おとめ おとめ てんびん
現象

金星

上旬 中旬 下旬
等級 -4.3 -4.3 -4.2
視直径 22.3" 20.3" 18.6"
星座 おとめ おとめ おとめ
現象

火星

上旬 下旬
等級 -0.7 -1.1
視直径 12.6" 14.6"
星座 ふたご ふたご
現象

木星

上旬 下旬
等級 -1.9 -1.8
視直径 32.7" 32.0"
星座 へびつかい へびつかい
現象

土星

上旬 下旬
等級 0.7 0.7
視直径 17.2" 17.8"
星座 しし しし
現象

天王星・海王星・冥王星

天王星(中旬) 海王星(中旬) 冥王星(中旬)
等級 5.8 7.9 14.0
視直径 3.6" 2.2" 0.1"
星座 みずがめ やぎ いて
現象
  • 25日 天王星が留
  • 1日 海王星が留
  • 17日 海王星が東矩