ハーゲンローザー彗星、分裂を始める

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【2012年11月8日 NASA

現在、太陽系の内側を旅しているハーゲンローザー彗星(168P)が分裂を始めた。


ハーゲンローザー彗星

ジェミニ望遠鏡が11月2日にとらえたハーゲンローザー彗星。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/Gemini)

ハーゲンローザー彗星の現在の位置と軌道

ハーゲンローザー彗星の現在の位置と軌道をステラナビゲータで表示。クリックで広域拡大

ハーゲンローザー彗星(168P/Hergenrother)は、この数週間ほど目立った塵の噴出が何度か発生しており、アマチュア天文家と天文学者の注目を集めていた。「ハーゲンローザー彗星は分裂しているところです。ハワイのマウナケア山頂にあるジェミニ望遠鏡で観測してみると、彗星核が少なくとも4つ以上の欠片に分裂しているがわかりました、彗星のコマ部分の塵が大量に増えています」(NASAジェット推進研究所のRachel Stevenson氏)。

太陽光を反射する物質が増えたため、彗星のコマはかなり明るくなってきた。

「彗星の破片は、彗星核と比べると明らかに暗いです。彗星核の表面から一部の塊が放出されたのでしょう」(カリフォルニア工科大学のJames Bauer氏)。

ハーゲンローザー彗星は現在10等級前後でアンドロメダ座のあたりを移動しており、アマチュア天文家も多くの写真を撮影している。

月刊「星ナビ」「Observer's Navi」コーナーでは、彗星その他の新天体の最新情報を紹介しています。