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タイバー彗星はリラー彗星の分裂片!?


【8/30 IAUC6464】
この秋に肉眼彗星になると期待されている C/1996 Q1(タイバー彗星)は、 その軌道の形が1988年に出現した C/1988 A1 = 1988a(リラー彗星)と酷似 していることが分かった。 村岡健治氏の計算による2つの彗星の軌道要素は次のとおり。


C/1996 Q1 (Tabur) C/1988 A1 (Liller)
T1996 Nov. 3.505541988 Mar. 31.114688年7カ月
Peri.57.3680857.387680.01960
Node31.4170031.515460.09846
Incl.73.3544373.322360.03207
q0.84010230.84133410.0012318
e1.00.99656340.0034366

2つの軌道要素は、近日点通過時刻を除いて、角度要素は 0.1°、近日点距離も 0.001AU の桁までが一致している。 そのため、この2つの彗星は、前回の回帰の際に分裂したものと思われる。 リラー彗星の軌道要素からは、周期は約3000年ほどになる。

ちなみに1988年にも、同じように分裂したと思われる2つの彗星が出現した。 C/1988 F1 = 1988e(レビー彗星)と C/1988 J1 = 1988g(シューメーカー・ ホルト彗星)である。この2つの彗星は、ほとんど同じ軌道上を3カ月弱の間隔を おいて動いていた。


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