20年に1度の明るさとなった超新星2011fe

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【2011年9月22日 VSOLJニュース(280)】

8月24日に発見された、おおぐま座の「回転花火銀河」に出現した超新星2011feはその後も増光しつづけ、9月10日ごろに明るさのピークとなった。10等級なので肉眼で見えるわけではないが、超新星としては1987年以来の20年に1度の明るさという、望遠鏡で注目の天体となっている。減光のスピードはゆるやかなので、今のうちに見てみよう。


VSOLJニュース(280)より(9月22日)

著者:山岡均さん(九大理)

9月10日になよろ市立天文台で撮影された2011fe

ピークとなった9月10日、北海道・なよろ市立天文台で撮影された超新星。10.37等で写っている。クリックで拡大(撮影・計算:渡辺文健)

増光する超新星2011fe

8月26日は13.2等、9月7日には約10等まで増光した超新星2011fe。クリックで拡大(提供:石垣島天文台)

8月24日、おおぐま座の渦巻銀河M101に爆発直後の超新星が発見されたことは、VSOLJニュース(277)(参照:天文ニュース 2011/08/29「回転花火銀河に出現した超新星2011feが増光中」)でお伝えしました。この超新星は、予想通りIa型超新星と判明し、超新星2011feという符号が与えられました。

その後、超新星2011feは順調に明るくなり、9月10日過ぎには10等級をわずかに上回る9.9等ほどで極大を迎えました。これは、M81に出現した超新星1993Jの極大時10.5等を上回ります。

これほど明るい超新星は、この100年で見ても、大マゼラン銀河の超新星1987A(極大3.0等)、ケンタウルス座の銀河NGC 5253に出現した超新星1972E(極大8.5等)、りょうけん座の銀河NGC 4214に現れた超新星1954A(極大9.5等)、やはりりょうけん座の銀河IC 4182に出現した超新星1937C(極大8.7等)しかありません。何十年に一度という現象です。

極大を過ぎた超新星2011feは、徐々に暗くなりつつあります。しかし減光はそれほど速くなく、9月20日でもまだ10等台前半の明るさです。M101は北斗七星の近くにあり、夕方の北西空の低いところになりますが、ここしばらくは月の影響もありません。太陽に近づいて観測困難になる前に、一目見ておいてはいかがでしょうか。


超新星2011feの位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ステラナビゲータを起動後まず「ツール」メニューから「データ更新」を行い、「恒星」ダイアログで「超新星」の表示をONにしてください。

また、新しいデータや番組を入手できる「コンテンツ・ライブラリ」(「コンテンツ」メニュー→「コンテンツ・ライブラリ」)では、超新星をわかりやすく×印で表示するための「超新星(マークで表示)」ファイルも公開しています。あわせてお楽しみください。

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