西村栄男さん、へびつかい座に新星を発見

【2010年1月18日 VSOLJニュース(233)】

静岡県の西村栄男さんが、へびつかい座に8.4等の新星を発見された。西村さんはベテラン天体捜索者で、昨年11月にも新星を発見されている。


VSOLJニュースより

(著者:山岡均さん(九大理))

(西村栄男氏撮影のへびつかい座新星の発見画像)

西村栄男氏撮影のへびつかい座新星の発見画像。クリックで拡大(提供:西村栄男氏)

(板垣公一氏撮影の確認画像)

板垣公一氏撮影の確認画像。クリックで拡大(提供:板垣公一氏)

(門田健一氏撮影の確認画像)

門田健一氏撮影の確認画像。クリックで拡大(提供:門田健一氏)

夜明け前の東の空に、夏の天の川が見えるようになると、新星発見のシーズンが始まります。その口開けとも言える、今年初の銀河系内の新星発見のニュースがありました。発見されたのは、静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さん、これまでにも多数の新星を発見してきたベテラン天体捜索者です。

西村さんは、1月15.857日(世界時、以下同様)にデジタルカメラで撮影した画像上で、8.4等級の見慣れない光点に気付きました。遡って調べてみると、13.86日撮影の画像には9.5等より明るい天体はありませんでしたが、14.865日撮影の画像では、画像の限界に近い10.1等ほどで写っていました。さらに、山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんが16.860日に、埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さんが16.860日にこの天体を確認しています。天体の位置(板垣さんの測定)は以下のとおりで、へびつかい座の脚のあたりになります。

  赤軽  17時39分40.94秒
  赤緯 -21度39分47.9 秒 (2000年分点)
  新星周辺の星図

昔の画像では、この位置に20等級より明るい星はありません。2秒角ほど離れた位置には、赤等級が16等級台の赤い星がありますが、新星とこの星とが関係あるかどうかを含め、今後の詳細な観測が期待されます。


へびつかい座の新星の位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。