西村さん、たて座に新星らしき天体を発見

【2003年9月3日 国立天文台天文ニュース(668)

静岡掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さんが、たて座に新星らしき天体を発見しました。

西村さんは8月28日と29日に撮影したフィルム上で、たて座に8.5等の新星と思われる天体を発見しました。この発見は洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さん、国立天文台を通して国際天文学連合に報告されました。

西村さんによる発見位置は、

赤経  18h 49m 38s
赤緯 -09°33' 45" (2000.0)
新星周辺の星図(52KB)

ASAS-3自動望遠鏡の観測によれば、8月24.105日(世界時)には14.0等より暗かったものの、26.096日(同)に10.15等、28.096日(同)には8.94等と急速に増光しました。

ASAS-3:
"The All Sky Automated Survey"(ASAS; 全天自動捜索)の第3世代の装置で、ポーランドのワルシャワ大学などの研究チームによって、チリのラス・カンパナス天文台に設置されている。観測装置は最大でも口径20センチメートル強と小型だが、広角CCDカメラを含めた3台の機材によって、観測できる空全体で14等星ぐらいまでの約1000万個の星の変光を常時測定しようという野心的なシステム。観測結果は即時に解析され、インターネット上で誰でもデータを検索する形で発表されている。今後の変光星観測に大きな影響を与えることは間違いないく、世界的にも変光星観測の一大転換点となりつつある(出典:VSOLJニュース(103))。