北九州博覧祭にて海底より引き上げられたH-IIロケットエンジンを展示

【2001年9月2日 アストロアーツ】

北九州博覧祭のパビリオン「モノづくりメタルカラー館」にて、1999年11月15日に打ち上げに失敗し落下した、宇宙開発事業団のH−IIロケット8号機のエンジン本体などが公開されている。

会場中央を占める科学技術フロンティアゾーンでは、水深約2900mの海洋底から引き上げられたLE-7のエンジンやノズルスカート、さらに日本の宇宙開発史上初めて押されることとなった「指令爆破」のスイッチの実物が、宇宙開発事業団の協力により展示されている。これらが一般向けに公開されるのは初めてのこと。

ほかにも、H−IIロケット7号機に搭載予定であったが、打ち上げられることなく事故後の原因究明に使われた、LE-7エンジン(第1段エンジン)・LE-5Aエンジン(第2段エンジン)の実物などが展示されている。

モノづくりメタルカラー館は、著書「メタルカラーの時代」や、NHK「ミッドナイトジャーナル」・「未来派宣言」のキャスターを務めた山根一眞氏がプロデュース。山根氏ならではの、実物・模型・映像を駆使したジャーナリスティックな手法による展示が行なわれている。

今回の海底から引き上げられたエンジンの展示も、「避けられない失敗を進化とする力」を、「失敗の経験も含め」本音で表現したものという。8月29日にH-IIAロケット試験1号機が無事打ち上げに成功したのも、これら引き上げられたエンジンによる事故原因の解析が活かされた結果であろう。

なお、パビリオン出口の直前には、チャリティ文庫本販売コーナーが設けられ、自然科学書籍やSF文庫などが格安で販売されている。常時1万冊在庫、絶版や品切れ文庫も多く販売されるとのことで、行かれる方は立ち寄ってみることをおすすめしたい。

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