カッシーニがとらえた、もっとも内側の土星の環

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【2013年6月11日 NASA

土星の環といえば「カッシーニの間隙」で分けられた明るい部分が目立つが、長時間露出が必要な暗い環にも不思議な謎が隠されている。


土星のD環

カッシーニが今年4月に観測した土星のD環。左側の明るい部分は1つ外側のC環。長時間露出のため、恒星の光が縦方向の筋として写っている。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)

土星の環は、土星本体に近い内側からD、C、B、A、F、G、Eとアルファベットで名前が付けられている。もっとも内側のD環は内縁半径がおよそ67000km、外縁半径が74500kmで幅7500kmだ。これは地球半径(約6500km)よりも広いのだが、広大な土星系全体の中では細く見える。

アマチュアの天体望遠鏡でもよく見えるA環やB環に比べると、D環はかなり地味である。NASAの土星探査機「カッシーニ」がおよそ50万kmの距離からとらえた詳細画像で見ても、やはり地味だ。

環自体がひじょうに希薄なため長い時間をかけて露出した画像には、ぼんやりとした縞模様が写っているが、その正体はよくわかっていない。D環には環の厚み方向に波打っている様子が見つかっており、環の中で破片が衝突した痕跡ではないかと考えられているが、この波模様の正体も謎である。

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