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(午前)4時を示す時計の針

04時:ラストスパート

天の川中心のM天体過密地帯に入る
気力で走りきる銀河中心部

熱いコーヒーで体が温まったら、そろそろラストスパートをかけましょう。このエリアは、いて座付近のメシエ天体銀座を一気に走り抜けます。18個という通過ポイントの多さには根性も尽きそうですが、明るいものが多いので、効率よくチェックを済ませるようにしましょう。

夏の大三角からアルタイル、わし座λ星から、たて座の散開星団M11M26を導入します。そしてへび座η星の南にある散開星団M16から、南へ向かって散光星雲M17、散開星団M18M24とたどります。M24は、スタークラウドと呼ばれる東西2度、南北1度ほどの広さを持つ天の川の濃い部分です。このM24を起点に、ふたつの散開星団、東のM25と西のM23を見つけます。次に、M24からいて座μ星を経由してM21を捉え、散光星雲M20M8へと進みます。ここまできたら、さそり座のしっぽの北にある散開星団M6M7まで足を伸ばしましょう。肉眼でもかすかに見えるので簡単です。いて座に戻ってλ星へと視野を動かしてλ星の西にある球状星団M28と、東にあるM22をこなします。そして最後に南斗六星の南にある3個の球状星団M69M70M54に向かいます。この3つは、暗く小さいうえに地平高度が低いのでかなりの難物ですから、あまり時間がかかるようなら思い切ってあきらめましょう。

望遠鏡で回る元気のない人は、双眼鏡かファインダーで、まとめて一気に見てしまうという、うまい手があります。たとえば、M6M7M11M26M17M18M21M20M8は、それぞれ双眼鏡でまとめてこなせる組み合わせです。

ルート案内

星図

夏の大三角まわりを見おわったら、アルタイルから南下してわし座η星の西南西約4゚にあるM11を探して夏の星雲・星団過密地帯に入ろう。M11は一見球状星団のように見えるが、望遠鏡では星がぎっしり詰まった扇形の散開星団だ。M11の南約1゚の小さな散開星団がM26。4個の明るい星のまわりに十数個の微光星がチマチマと光る。

たて座γ星の約3゚西にあるのが散開星団M16。20個ほどの星がバラバラ集まっているが大口径望遠鏡では星雲部分も見える。M16の約2゚南には散光星雲M17がある。オメガ星雲の名があるが、実際には天の川で遊ぶ白鳥の姿に見える。M17の1゚南にあるささやかな散開星団がM18。いくつかの星が丸く集まったようすがわかる。

これら3天体は双眼鏡の同一視野に見えて美しいが、その南にあるM24はいわくつきのM天体だ。いて座μ星の北3゚の天の川が濃くなっている2゚×1゚ の部分をスタークラウドと呼んでいるが、M24はスタークラウドのことなのか、それともその中にある小さい散開星団NGC6603なのか議論されている。メシエは「大きい星団」と記述しているところから、スタークラウド全体をM24と考える方が無理がないだろう。

スタークラウドM24の東約12'に,大型でまばらな散開星団M25がある。ファインダーでいくつかの星を数えることができるほどだ。M24をはさんでM25の反対側、M24の西約20'にはまばらな散開星団M23がある。これもファインダーで粒のそろった数個の星が星雲状天体の中に見える。M23の南南東約4゚には散開星団M21。双眼鏡で数個の星が数えられ、望遠鏡で暗い星が見え始め星団らしくなる。

ここからM8M20M21、そしてλ星まわりの球状星団M28M22を見る。M28M8の東約20'にあり望遠鏡では少しいびつな星雲状に見える。M22は肉眼で確認でき、望遠鏡でバラバラと星に分解し始める。どちらもいて座λ星から見つけることができる。

そして、さそり座の尾部の北にある散開星団がM6M7だ。どちらもファインダーで星の集団だということがわかる。M7の方がみごとで空が暗ければ肉眼でも見える。望遠鏡より双眼鏡の同一視野に2つのM天体を捉えた方が美しい。

最後に、いて座λ星の南約7゚にある球状星団M69を探す。さらに東約12'にあるのがM70。どちらも小型の球状星団。彗星の核のように見える。M70からいて座ζ星の方向へ3゚ほどには球状星団M54。望遠鏡で倍率を上げても、星雲状で星に分離することはない。

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03時:ダッシュ

05時:ゴール目前

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