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(午前)5時を示す時計の針

05時:ゴール目前

薄明に追われながらもあと一息
ゴール直前に最大の難関が待つ

長かったメシエマラソンもいよいよ最後の区間に突入します。予定通りのペースをキープして走ってきたとしても、そろそろ東の空が白みかけているはずです。それでも、球状星団を中心にまだ7個のメシエ天体が残っています。ここからは、薄明との壮絶な戦いが待っています。日の出は5時44分ころですが、その20〜30分前には、星は見えなくなってしまいますから、見えそうなものから順に、あせらず急いでかたづけていくようにしましょう。

球状星団M55M54と赤緯がほぼ同じなので、望遠鏡を東に振るだけで導入できます。次に、M55とやぎ座β星の中間にある球状星団M75を探します。ここまではあまり問題ないでしょう。次にやぎ座α星の東にある球状星団M72と隣の散開星団M73を探しますが、どちらも暗いので簡単には見つからないかも知れません。ちょっと探してみて分からないときは、見切りをつけて、ペガスス座ε星の先にある球状星団M15に向かいましょう。そして、そのまま南下してやぎ座の球状星団M2を見ます。このふたつは明るいのでなんとか見られるでしょう。そして、いよいよ最後の天体へと向かいます。M2から、さらに南下して、地平線から顔を出したばかりのやぎ座の球状星団M30に挑戦してみましょう。高度はわずかに5度ほどしかないので地平線まできれいに晴れていないと難しいでしょう。低空の天体はほんの僅かの高度の違いで、見えたり見えなかったりするので、しばらくはそのまま様子を見てもいいでしょう。泣いても笑ってもゴールの天体なのですから…。

望遠鏡の視野が明るくなり、恒星が見えなくなってしまったら、メシエマラソンは終了です。完走おつかれさまでした。さて、あなたは全てのポイントをクリアできましたか? 一晩で駆け抜けてきたメシエ天体の姿を思い出しながら飲む夜明けのコーヒーの味は格別です。そして、東の地平線から姿を現した太陽からの暖かい日ざしは、疲れ切った身体に元気を与えてくれることでしょう。

ルート案内

星図

薄明が迫る中、昇ったばかりの秋の球状星団を追いかける。まずはいて座のM55M54の東約45'にある。まばらなタイプなので望遠鏡で中心部まで星に分解して見える。M55の北東約11゚にはM75。小型で密集度が高いので、円形の星雲状にしか見えない。M72はやぎ座α星の東約35'にある小型の球状星団。望遠鏡で小さな丸い星雲といった感じ。そのM72の東約1.5゚にある散開星団がM73。ただし4個の10〜12等の星があるだけだ。球状星団M2M15は明るいので問題ないが。低空のM30は最大難関と言えるだろう。

M2は、みずがめ座β星の北約5゚にある球状星団。ファインダーで星雲状。望遠鏡で周辺部が星に分解する。M15は、ペガスス座ε星の北西約4゚にある球状星団。高倍率で明るく輝く核の周辺が星に分解する。

最大難関のM30は、やぎ座のγ星の南約7゚にある球状星団。明るいが小さいため、倍率を上げても丸い星雲状にしか見えない。薄明の中でこのM30が見えるかどうかがマラソン完走の鍵を握る。ただし、ここまでパーフェクトにこなしてきていた場合にだが……。

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04時:ラストスパート

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