NASA、冥王星探査の準備へ

【2001年12月6日 NASA SOLAR SYSTEM EXPLORATION Press Release

NASA が冥王星やエッジワース・カイパーベルト(以下 EKB)天体の探査計画をフェイズ B(準備的な計画の研究)として進めていくと発表した。この探査では太陽系最遠の惑星である冥王星だけでなく、その外側にある EKB も研究対象になっている。EKB は彗星の源であり、地球上の水の多くや生命の素になった単純な化学物質もここが起源であると考えられている。

(冥王星を調査する探査機の想像図)

New Horizons 計画で冥王星を調査する探査機の想像図(イラスト提供:NASA)

この計画では 2006 年に探査機を打ち上げ、2020 年より前に冥王星へ接近通過することになっている。この打ち上げ期日を守るために、研究には 2 つの条件が課されている。1 つは重大な問題を事前に洗い出すための確認調査を通過すること、もう 1 つは 2003 年度以降の予算を確保することである。

この計画は「新しい地平線―未開の世界へ光を」(原文:New Horizons: Shedding Light on Frontier Worlds)と呼ばれている。探査機は撮像装置を含むリモートセンシング(天体から離れたところから光などの電磁波を測定し地表の状態などの情報を集める手法)パッケージや電波計、分光器など多くの装置を使い、冥王星とその衛星カロンの全体的な地形や形を調べる予定だ。また、表面の化学組成や冥王星の大気についても調査することになっている。

冥王星は太陽系の惑星の中で一番小さな惑星だが、実際には EKB の天体である。そこには窒素の氷や、炭素、水素、酸素といった生命の起源に必要となる元素を含む単純な分子が多く残されている。

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