100億年の時を経た球状星団M68の輝き

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【2012年7月31日 ハッブル宇宙望遠鏡

ハッブル宇宙望遠鏡が、うみへび座の球状星団M68の姿をとらえた。その美しい輝きは、今とは違った大昔の宇宙の様相を伝えている。


ハッブルがとらえた球状星団M68

ハッブルがとらえた球状星団M68。クリックで拡大(提供:ESA/Hubble & NASA)

球状星団M68の位置

球状星団M68の位置をステラナビゲータで表示

ハッブル宇宙望遠鏡が、うみへび座の方向33000光年かなたにある球状星団M68の姿をとらえた。直径100光年ほどの領域に数十万から数百万個の星々が集まっており、お互いの重力で数十億年もの間その形を保ち続けている。天の川銀河の周囲にはこうした球状星団が150個以上存在している。

球状星団は、その星々の光から恒星の化学組成を知り、年齢を推測することができる。典型的な球状星団では炭素や酸素、鉄といった重元素の割合が太陽に比べて少ない。これらの元素は星内部の核融合で生成され宇宙での存在量が増えていくので、球状星団に重元素が少ないということは、球状星団の星がはるか昔の時代に作られたということを表している。実際、球状星団を構成する星々は恒星の中でも最も年老いており、生まれてから100億年も経っている。

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