Ia型超新星の起源、「伴星は普通の恒星」説にもう1票

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【2011年8月12日 Physorg.com

Ia型とよばれるタイプの超新星爆発の起源は、「2つの白色矮星の連星」と「白色矮星と普通の恒星の連星」という2つの説がある。爆発光のスペクトル観測から、「普通の恒星」説を支持する研究結果が発表された。


Ia型超新星は、白色矮星()と連星系になっている伴星から物質が白色矮星に降り積もり、白色矮星の質量が太陽の1.4倍を超えると不安定になって大爆発を起こすものだ。その真の明るさが全て一定とされるため、超新星が属する遠方銀河までの距離を測る基準となっている。宇宙が加速的に膨張していることや、膨張の要因となるダークエネルギーの存在が明らかになったのも、このIa型超新星のおかげだ。

しかし、爆発前の天体は白色矮星と何の連星なのか、どのように爆発が起きるのか、などまだまだ謎が多い。連星の伴星の正体については、同じ白色矮星という説と太陽のような普通の恒星という2つの説が存在する。

米・カーネギー天文台のJosh Simon氏らの研究チームは、41個のIa型超新星のスペクトルに見られるナトリウム吸収線から、爆発位置の近くに低温の中性ガスが存在することを突き止めた。もし2つの白色矮星が起源であれば、ナトリウムは検出されないはずだ。星間雲や銀河内部の銀河風など他の要因とも考えられないという。

「ガス雲の動きがゆっくりであることと、その小ささからすると、非常に近い位置から爆発前に放出された物質でしょう。一般的にこのようなガスは、白色矮星ではなく赤色巨星からの恒星風によるものとされます」とSimon氏は結論づける。

爆発前の天体について明らかにすることで、超新星爆発が光るしくみがわかる。それは、宇宙の膨張についての研究の見直しや確認にもつながるだろう。

注:「白色矮星」 太陽程度の質量の恒星が一生の最期にガスを放出し(惑星状星雲)、その中核が高密度の星となって残ったもの。