探査機メッセンジャー、水星軌道に投入成功!

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【2011年3月18日 NASA

NASAは水星探査機メッセンジャーを水星周回軌道へ投入することに成功したと発表した。水星周回軌道に探査機を投入したのは世界初となる。


(メッセンジャーの軌道投入のイメージ図)

水星探査機メッセンジャーの軌道投入のイメージ図。クリックで拡大(提供:NASA)

メッセンジャー(MESSENGER)は2004年8月4日に打ち上げられた。これまで地球で1回、金星で2回、水星で3回のスイングバイを行って水星の周回衛星となることを目指してきたが、3月18日0時45分(協定世界時。日本時間18日9時45分)に最後の軌道修正を成功させ、無事水星周回軌道に投入することができた。

これまで水星を訪れたことがある探査機は、メッセンジャーの水星接近時を除くと1974年から1975年にかけて3度の接近通過を果たしたNASAのマリナー10号だけであった。しかもマリナー10号が撮影できたのは地表全体の45%に過ぎず、水星は多くの謎に包まれていた。今回メッセンジャーが初めて水星軌道へ投入されたことにより、水星に関するさまざまな知見を得ることができると期待されている。

システムの点検の後、3月23日から機器の電源を入れ、4月4日からおよそ1年にわたって科学探査を行う予定である。メッセンジャーの探査内容は以下のものが計画されている。

  • 数百mの解像度を持つ全球マップの撮影
  • 水星表面の元素組成や鉱物組成のマップの作成
  • 水星の惑星磁場の測定
  • 水星の重力場の測定
  • 水星磁気圏のイオンや電子の測定

なお水星探査についてはJAXAESAが共同で探査機「ベピコロンボ」を2014年に打ち上げることを目指しており、開発が続けられている。


メッセンジャーの位置と航路

天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」では、メッセンジャーやパイオニア10号、「はやぶさ」など、主な探査機15機の設定日時における位置や航路を表示することができます。