野辺山45m電波望遠鏡、ガス衝突による星団形成の現場を初めてとらえた

【2010年9月7日 国立天文台

国立天文台の研究グループが野辺山45m電波望遠鏡による観測から、星の材料である高密度のガス同士の衝突によって星団が形成される現場を発見した。このようなプロセスは理論的には予測されていたものの、実際に発見されたのは初めてのことである。


密度の高いガスのかたまりが衝突して生まれた天体

今回発見された、密度の高いガスのかたまりが衝突して生まれた4天体。クリックで拡大(提供:国立天文台)

国立天文台 野辺山45m電波望遠鏡

国立天文台 野辺山45m電波望遠鏡。クリックで拡大(提供:国立天文台)

国立天文台ALMA推進室研究員の樋口あや氏、野辺山宇宙電波観測所 教授の川邊良平氏が率いる研究グループは、地球から1000〜7000光年離れたへび座やいっかくじゅう座などの方向に位置する若い星団14天体を選び出し、それぞれの星団の母体となるガス密度の高い領域を国立天文台 野辺山45m電波望遠鏡を使って観測してきた。

これらの領域は赤外線の観測から若い星団が生まれている場所であることがわかってきていたが、同研究グループによる電波観測の結果、若い星の集団(星団)がガスのかたまりの衝突によって生まれた証拠として、ガスの衝突による星団形成の現場を発見した。

これまでの研究で、宇宙に存在する多くの星が集団で生まれることが知られている。しかし、星団を一気に生むためには何らかの誘発原因が必要だと言われてきた。

銀河の腕にガスが衝突して最終的に星団が生まれるという証拠はすでに見つかっていたが、とくに誘発原因がないような空間で高密度のガス同士が衝突を起こして星団の形成が引き起こされるという観測例はなかった。また、ガス同士の衝突によって小さな高密度のガスの塊が生まれ、それらが星へ成長するというシナリオも理論的には予測されていたが、そのような現場が発見されたのは今回が初めてのこととなった。

研究グループでは、現在建設中のアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA、アルマ)を使って、これまでの100倍以上の解像度で観測し、より詳しい描像を明らかにする計画だ。