土星探査機カッシーニ、土星とのランデブー近し!迫力のクローズアップ画像

【2004年5月19日 Cassini Image of the Week

土星への到着を7月1日に控えたNASAの土星探査機カッシーニから届いた画像には、接近を実感させるように、土星の雲のようすが詳細に捉えられている。

(土星の画像)

探査機カッシーニが捉えた土星。クリックで拡大(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

およそ7年前に始まった「リングの世界への旅」とでもいうべきカッシーニの土星への飛行は、いよいよ6月30日の軌道投入まで、あと1か月ほどとなった。公開された画像は、カッシーニが土星から6千万キロメートルの距離から4月16日に捉えたものだ。

雲の少ない場所は暗い領域として、厚い雲が存在している場所は明るい領域として、それぞれ捉えられている。南極に見られる黒く丸い部分は、小さく中央に位置しているという点が専門家の興味を引いているが、この部分は、土星の磁場の影響を受けていると考えられている。また、土星面の右下に見える白い二つの点や、中央付近で土星の中心を横切るように延びている大きく横長な暗い部分も特徴的だ。

雲の帯は、それぞれ違ったスピードで移動する。このスピードの差によって、雲がさまざまな形に見えているのかもしれない。あるいは、惑星内部の熱によって雲の下の層が乱され、それが雲にも反映されるのかもしれない。

南極の左には、土星の衛星ミマス(直径396km)が写っている。土星の衛星は現在31個が知られているが、そのうち、カッシーニの打ち上げ以降に発見されたものは計13個で、すべて地上に設置された望遠鏡によって発見されたものだ。今後、カッシーニの接近に伴って、新しい衛星の発見もあるだろう。