板垣さん、今年初の超新星を発見

【2004年1月14日 VSOLJニュース(118) / 国立天文台・天文ニュース(693)

(VSOLJニュース)

山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、これまで数々の超新星を発見するなど、たいへん活躍中の新天体ハンターです(vsolj-news 100104115など)。板垣さんはこのほど、ヘルクレス座の有名な球状星団M13のすぐ近くにある渦巻銀河NGC 6207に超新星を発見されました。世界を通じて今年初めての超新星発見で、超新星2004Aと呼ばれます。

超新星が発見されたのは1月9.84日(世界時、以下同様)で、そのときの明るさは15.7等(フィルターなしCCD)、翌10.75日にも同じ明るさで観測されています。また、山梨県の串田麗樹(くしだれいき)さんによって、9.877日に15.7等で確認されています。超新星の位置は、

赤経  16時43分10.90秒
赤緯 +36度50分12.5秒  (2000年分点、板垣さんの測定)
NGC 6207周辺の星図(13KB)

で、母銀河の中心から西に22秒角、北に17秒角にあたります。銀河の中心に重なって明るい星がありますので、同定には注意が必要です。板垣さんが2003年12月27日に撮影された画像では、18等より明るい天体はこの位置になく、この超新星は爆発から2週間以内であろうと考えられます。

この銀河はかなり近い部類に属します。典型的なIa型超新星がこの銀河に出現すると、極大で12等台が期待されます。ただし、今回の超新星2004Aは、発見後1日経っても明るさがほとんど変化しなかったことから、より暗い重力崩壊型の超新星である、もしくは母銀河内の星間物質によって吸収を受けていることが考えられます。今後、分光タイプの決定や光度変化の追跡が待たれます。

(16日追記)ぐんま天文台と美星天文台が1月13.8-13.9日に撮影したスペクトルから、超新星2004Aは、爆発後それほど時間の経っていないII型超新星であろうと推定されました。

超新星の画像などは、D. Bishopさんの超新星page、http://www.rochesterastronomy.org/snimages/で近々公開されていきます。

(国立天文台・天文ニュース)

山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、2003年には超新星を4個も発見するなど、精力的に活躍中の新天体捜索者です(国立天文台・天文ニュース 441500587625635673678)。

その板垣さんがヘルクレス座の渦巻銀河NGC 6207に超新星を発見しました。これは口径28センチメートルの反射望遠鏡とCCDによる発見です。

この発見は洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合へ報告され、2004Aという名前が付けられました。この超新星は世界を通じて今年初めての超新星の発見です。

この超新星が発見されたのは1月9.84日(世界時、以下同)で、そのときの明るさは15.7等級と報告されています。10.75日にもほぼ同じ明るさで確認されています。

超新星の位置は、

赤経  16時43分10.90秒
赤緯 +36度50分12.5秒  (2000年分点)

で、母銀河の中心から西に22秒角、北に17秒角にあたります。板垣さんが2003年12月27日に撮影された画像では、18等級より明るい天体はこの位置になく、この超新星は爆発から2週間以内であろうと考えられます。また、群馬県立ぐんま天文台の65センチメートル望遠鏡によって、1月11日にスペクトルが撮影され、タイプIIの超新星の可能性が指摘されています。

今後、分光タイプの決定や光度変化の追跡が待たれます。