1月末は工藤・藤川彗星をインターネットで見よう!

【2003年1月25日 アストロアーツ】

今月29日に近日点を通過する工藤・藤川彗星(C/2002 X5)をインターネットでリアルタイムに見られるチャンスがやってきた。

工藤・藤川彗星の位置を示した図

1月末にLASCO/C3の視野内を通過する工藤・藤川彗星。LASCO/C3の視野にあわせて、黄道座標系で太陽に対する位置を示している。クリックで拡大

現在、工藤・藤川彗星はやぎ座にあり、6等級前後の明るさとなっているが、太陽のすぐそばにあるので普通には見ることができない。しかし、太陽観測衛星SOHOLASCO/C3コロナグラフというカメラが常に太陽の方向を観測しており、工藤・藤川彗星がこのカメラの視野内を通過する1月末にはコロナグラフの視野内に見える。LASCO/C3の画像はインターネット上でリアルタイムに公開されているので、工藤・藤川彗星が近日点を通過する前後のようすをインターネットで見ることができるというわけだ。

SOHOのウェブサイトはhttp://sohowww.nascom.nasa.gov/より。こちらのサイトの「THE SUN NOW」や「Gallery」などのページをご覧いただきたい。なお、彗星がLASCO/C3の視野内のどこに見えるのかは図を参考にしてほしい。

SOHOは太陽の活動のようすを観測するための衛星だが、その視野内に入ってきた彗星をこれまでに数多く見つけており、SOHOという名前のついた彗星も数多くある。インターネットで公開される画像をチェックして新彗星を探している人もいるくらいだ。また、昨年8月には鈴木雅之さんがSOHOの観測機器SWANの画像中から新彗星を発見され、SWAN彗星と命名された。

なお、来月の中旬から下旬にかけては、ニート彗星(C/2002 V1)がLASCO/C3の視野内を通過する。ただし、近日点距離が0.1天文単位以下とひじょうに小さいため、近日点通過前に分裂や消滅してしまう可能性も指摘されている。こちらの彗星にも注目してみたい。

ステラナビゲータVer.6で見え方をシミュレーションする方法

以下の手順で、工藤・藤川彗星がLASCO/C3の視野中でどのように見えるかシミュレーションすることができる。

  1. 星図の設定ファイル「lasco_c3.sns」ファイルをダウンロードします。
    ダウンロードは、ファイルを右クリックし、表示されるメニューから保存を選んでください。
  2. ダウンロードしたファイルlasco_c3.snsをダブルクリックして、設定された星図を開きます。
    または、ステラナビゲータの[ファイル]メニューから「開く…」を選び、ダウンロードしたファイルを選択することもできます。
  3. 設定ファイルは2003年1月25日の12時(日本時)にセットされています。太陽を中心とした星図が描かれ、円の上端に工藤・藤川彗星が表示されています。
    日付や時刻を変えて、工藤・藤川彗星が視野内でどの位置にあるのか確認してみてください。
  4. 工藤・藤川彗星が表示されない場合は、工藤・藤川彗星の軌道要素が登録されていない可能性があります。
    ステラナビゲータの[ツール]メニューから「データ更新…」を選び、最新の軌道要素をダウンロードしてください。(ダウンロード後にステラナビゲータの再起動が必要です。)なお、彗星の最新の軌道要素はステラナビゲータVer.6のダウンロードページからダウンロードすることもできます。

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