飲み星食い月す

Vol.17 お題は「宇宙」、季節の和菓子

おしながき:季節の和菓子 お題「宇宙」五つ盛り
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今回紹介するのは、「宇宙」という壮大なテーマのもとにつくられた菓子。菓子は菓子でも、和菓子なのだ。これをつくったのは、創業八十年の山形県東田川郡三川町にある幸栄堂製菓舗。

丁寧に包装された箱から出てきたのは、五つの和菓子たち。名前は、左上から時計回りに「銀河」、「ビッグバン」、「コロナ」、「水星」、そして真ん中が「冥王星」となっている。

一つ一つの名前を見ても、こんなお菓子づくりに挑戦する和菓子屋は、ほかにはなかなかないだろうと感心してしまう。幸栄堂製菓舗のお菓子のアイデアは、三代目の奥様である加藤よしさんによるもの。注文の際ふとしたきっかけてお聞きした話によれば、新惑星定義から冥王星がはずされたことからアイデアを得て、これらの菓子づくりに挑戦したという。よしさんの息子さんは大の天文好きだなのだそうだ。三代目であるご主人とともに、よしさんがお店を切り盛りして7年、苦労の連続だったという。幸栄堂製菓本舗さん、これからも、がんばれ!

さて、肝心のお菓子についてだが、左上の銀河は、透明なゼリーのような生地の中に、ロールケーキのような小さな渦巻きが銀河らしく入っている。その右にあるのは、見るからに爆発的なエネルギーを感じさせるビッグバン。和風の皮に餡がつつまれている。かまぼこ型をしたコロナは、鮮やかな黄色い生地にピンク色でうねるような模様がつくられていて、この生地がフルーティーなオレンジ風味のゼリーを取り囲んでいる。ごつごつした表面に観測データのない空白地帯?まで表現されている水星は、もちもちした食感の薄い生地の中に風味のよいあずき餡が包まれている。冥王星は上品なねりきりでできている。

たった直径5センチのお菓子に表現された宇宙、見ているだけでも、とてもたのしめる。幸栄堂製菓舗では、季節の和菓子の地方発送も受けており、品物は2ヶ月ごとに変わる。じゃあ、私も注文!と思った方、ごめんなさい。残念ながら、この”お題「宇宙」五つ盛り”の販売はすでに終了してしまったのです。(筆者が問い合わせた際にすでに残り2個だった。)

2007年は、どんな天文ニュースが飛び込んでくるだろう。きっと次の大ニュースの折にも、幸栄堂製菓本舗さんからびっくりするような菓子が登場するかもしれない。(五つのお菓子の名前に関連した今年のニュースや特集は、以下の”試食のお供”をご覧ください。)

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