小説「天地明察」に登場の天文書、4月18日に実物公開

【2010年4月13日 国立天文台 アストロ・トピックス(544)】

江戸時代の天文学者・渋川春海を題材にした時代小説「天地明察」に登場する実在の天文書が、4月17日(土)から半年間、国立天文台三鷹キャンパスの天文台歴史館で展示される。通常は複製展示となるが、4月18日(日)のみ現物を公開。日本の天文学史を物語る貴重な資料を実際に目にすることができる。


アストロ・トピックスより

天文台歴史館

展示会場となる国立天文台歴史館(提供:国立天文台、以下同様)

「日本長暦」

公開される資料の一つ、「日本長暦」。クリックで拡大

国立天文台図書室は、江戸幕府天文方が所蔵していた和漢書を中心に、天文・暦・和算関係の貴重資料を約3,000冊所蔵しています。

図書室ではこれらの資料を広く知っていただくことを目的に、同天文台暦計算室との合同企画「国立天文台所蔵貴重書常設展示」を、国立天文台三鷹キャンパス内にて行っています。展示は半年ごとに入れ替えを行っており、この4月で第42回を迎えます。

この第42回では、2009年末に刊行され「吉川英治文学新人賞」受賞や「2010年本屋大賞」ノミネートなど高い評価を得ている冲方丁(うぶかたとう)氏の時代小説「天地明察」に焦点を当て、この小説に登場する資料の中から貞享暦、天経或問、日本長暦などを展示します。

「天地明察」は、江戸時代前期の天文学者・渋川春海(しぶかわはるみ)が、実態と合わなくなっていた日本の暦を823年ぶりに改訂する大事業に関わっていく過程を生き生きと描き出したものです。

従来の「貴重書常設展示」では複製を展示しており、現物は毎年秋の「三鷹・星と宇宙の日」(旧称:三鷹地区特別公開)の1日のみの展示としていますが、今回は、複製展示のほか、会期最初の日曜日である4月18日の1日のみ貴重書の現物数点を一般に公開することとしました。

これを機会に、新緑の美しい国立天文台三鷹地区の常時公開コース(常時公開コース見学)と合わせてのご見学をお待ちしております。

■ イベント名:
国立天文台所蔵貴重書常設展示
第42回展示「渋川春海と『天地明察』」
■ 日時:
2010年4月17日(土)〜10月22日(金) 10:00〜17:00
※4月18日(日)のみ現物展示、ほかは複製展示となります
■ 会場:
国立天文台三鷹キャンパス(東京都三鷹市大沢2-21-1)
天文台歴史館1階
交通案内三鷹キャンパスのご案内
■ 入場料:
無料
■ 内容:
「貞享暦」「天経或問」「日本長暦」など