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Book Review金井三男のこだわり天文書評

天文宇宙に関連する本やDVDをご紹介します。毎週の新刊情報のほか、金井三男さんや星ナビ編集部などによる書評を数多く掲載しています。

金井 三男さんの顔写真

プロフィール:金井 三男(かない みつお)

プラネタリウム解説員。1974〜1989年に東京渋谷にあった五島プラネタリウムで解説、現在は(株)東急コミュニティーにて後輩の指導・育成にあたる。独自の視点から天文や宇宙を追求、月刊天文雑誌「星ナビ」で「金井三男のこだわり天文夜話」を連載中。

新刊情報

2月20日更新

はやぶさパワースポット50

  • 川口淳一郎 監修/はやぶさPS編集部 編集
  • 三和書籍
  • ISBN 978-4862511232
  • 価格 1,764円
  • [Amazon.co.jp]

宇宙の一番星を探して
宇宙最初の星はいつどのように誕生したのか

  • 谷口義明 著
  • 丸善出版
  • ISBN 978-4621084762
  • 価格 1,995円
  • [Amazon.co.jp]

ますます眠れなくなる宇宙のはなし
「地球外生命」は存在するのか

  • 佐藤勝彦 著
  • 宝島社
  • ISBN 978-4796677950
  • 価格 1,260円
  • [Amazon.co.jp]

朝日おとなの学びなおし
137億光年の宇宙論

  • 藤田貢崇 著
  • 朝日新聞出版
  • ISBN 978-4023310124
  • 価格 1,365円
  • [Amazon.co.jp]

宇宙の地図

  • 観山正見、小久保英一郎 著
  • 朝日新聞出版
  • ISBN 978-4023309937
  • 価格 2,100円
  • [Amazon.co.jp]

宇宙から学ぶ
ユニバソロジのすすめ

  • 毛利衛 著
  • 岩波書店
  • ISBN 978-4004313465
  • 価格 735円
  • [Amazon.co.jp]

宇宙はなぜこんなにうまくできているのか

  • 村山斉 著
  • 集英社インターナショナル
  • ISBN 978-4797672237
  • 価格 1,155円
  • [Amazon.co.jp]

私たちの「はやぶさ」
その時管制室で、彼らは何を思い、どう動いたか

  • JAXA、的川泰宣、寺門和夫、山根一眞、喜多充成 著
  • 毎日新聞社
  • ISBN 978-4620321059
  • 価格 1,470円
  • [Amazon.co.jp]

新着レビュー

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビに掲載

編集部オンラインニュース編集部による書評

表紙写真

小惑星探査機 はやぶさの大冒険

  • 山根一眞 著
  • マガジンハウス 刊
  • 19.4 x 13.5cm、311ページ
  • 2010年7月
  • 978-4838721030
  • 価格 1,365円

2012年2月公開の映画「はやぶさ 遥かなる帰還」の原作ともなっている本書は、探査機「はやぶさ」とプロジェクトメンバーの7年間を読み物としてまとめたドキュメンタリー。ノンフィクション作家で宇宙航空研究開発機構嘱託の山根一眞氏が、はやぶさの打ち上げから自分の足を使ってていねいに取材し、人脈を活かして深く掘り下げた内容になっている。

長年、メンバーの近くで見守り続けた彼の目線を活かして、宇宙工学など技術的な面もわかりやすく紹介している。ページをめくるごとに「はやぶさ」が徐々に降下してくるという凝ったデザインに、編集者のこの本へかける熱意も感じる。

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表紙写真

図説 宮沢賢治

  • 上田哲、関山房兵、大矢邦宣、池野正樹 著
  • 河出書房新社 刊
  • 21.2 x 16.4cm、111ページ
  • 2009年8月
  • ISBN978-4-309-76129-9
  • 価格 1,890円

宮沢賢治の足跡・科学・哲学(特に宗教観)・生活背景・家族や交流者など、評者がこれまで読んだ賢治の紹介書の中でも出色の記事ばかり。とりわけ、第2章「賢治の見た星」を担当された池野氏の文章は、賢治ファンのみならず、天文ファンはぜひ熟読いただきたいものである。その意味で、本書評でこだわらせていただこうと思う。

まず、第2章冒頭の「賢治も愛用したと見られる星座早見」からして目を奪われる。ただしここに掲載されたものは、三省堂が1938年出版したものだから、賢治没後のものだ。それでも、「スレクルヘ」「鳥白」「ススガペ」と記されているのが時代を感じさせて、星座早見ファンにとっては垂涎の資料だ。かつて評者が村山定男先生のコレクションの中から見せていただいたのと同じものかも知れない。基本的には現代の星座早見と変化はないが、先生ご所有のものは厚手のボール紙のしっかりとしたものだった。

「銀河鉄道の夜」の原稿の一葉も掲載され、また1920〜30年代のツァイス天体望遠鏡も、いかにも現代風とはいえない経緯儀三脚が素晴らしい。賢治が見たかもしれない1910年のハレー彗星に関する記事も必見のもの。岩手公論・岩手日報の記事はきっとあなたの彗星情報を豊かにするだろう。

なお、本書は初版が1996年だが、2009年8月に新装版初版として発行された。本書著者のお一人上田氏は、2000年に逝去されている。

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表紙写真

科学キャラクター図鑑 天文学 きらめく世界!

  • サイモン・バシャー 絵/ダン・グリーン 文/原田佐和子 訳
  • 玉川大学出版部 刊
  • 18 x 17.8cm、128ページ
  • 2009年12月
  • ISBN 978-4-472-050901-8
  • 価格 1,680円

 子ども向けと称する本書だが、月や惑星、星座などのみならず、時空、ダークエネルギー、ダークマター、赤方偏移、衝突銀河、活動銀河、楕円銀河、局部銀河群、超新星残骸、中性子星、白色・赤色・褐色矮星などにも触れている。さすがに炭素星やアルマーズはアリマセンが、本書にはアルファ・ケンタウリがあり、シリウスがあり、ベテルギウス、キャッツアイ、さんかく座銀河、おとめ座超銀河団がある。2011年に新聞で大々的に取り上げられた「ベテルギウス近々爆発」が、2009年末出版の本書ですでに「千年以内に超新星爆発する」と予測されているのだ!

評者が「ベテルギウスがあと1万年以内に爆発して、満月より明るくなるよ。だけど、輝いて綺麗だなんていっていられないよ。すぐにX線に焼かれないよう、50mくらいの深い穴を掘ろうね。」と多少大げさにプラネタリウムで解説したら、小学生の男の子が母親の胸に埋もれて泣いた!のである。実話ですよ。

このような勇気ある児童書に、本書は心からエールを贈りたい。本書は大人向け児童書なのである。楽しく勉強できる本だから、全ての天文ファンに本書を推薦したいのである。アーティストのバシャー氏と素粒子物理学を勉強したフリーランサーのグリーン氏という二人の英国人と、化学専攻で多数の科学書を著作されている訳者の、こなれた文章と楽しいイラストは、深い内容ばかりでなくおもしろいですよ!

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月の下で Under the Moon

  • 光村推古書院編集部 編集/森光伸 写真
  • 光村推古書院 刊
  • 21.2 x 15.6cm、191ページ
  • 2006年3月
  • ISBN 978-4-8381-0363-8
  • 価格 2,520円

著者はあとがきで、撮影効率が悪い月風景写真にこだわって四半世紀余り撮影してきたのはなぜかと問い続け、月の写真を見ながら読み物として楽しむことができるように本書を書いたとおっしゃる。本当にその通りで、惚れ惚れとするほど美しい月景写真と、まさに文学評論と言って良い優れた文章に、評者は耽溺してしまった。

月は美しく、星もきらびやかで、感性豊かな我が同胞がこれまでに数多くの和歌や詩歌、俳句や小説、そして日本画や歌謡曲に描きこんで来ているが、不思議とそれを論じた文章や書物に巡り合うことは少ないとみなさん感じられませんか?

評者が思うに、それはプラネタリウム関係者や天文アマチュアに、評者同様感性が不足しているためではないだろうか。その自己反省のもとに、本書をこだわり書評愛読者のみなさんに本書をお捧げしたい。本書は初版2006年第二版2009年刊の美本である。豪華本ともいえる。そして、特に日本の月に関する雑学書でもある。だが、そんじょそこらの雑学書ではなく、和歌・俳句・小説など文学全般に深く掘り下げた雑学書で、評者は本書から多数の知識をノートさせていただいた。

例その1。月に不死(富士はここから出た言葉:竹取物語にかかわる)の薬があると信じられたわけは、月が満ち欠けを繰り返すことから。

その2。古代日本では、織姫彦星がデートできたのは、月が空を渡り終えてから。

その3。She is still mooning over himの意味は、「ボーっと夢心地」である。その他多数。

「私を追いかけて夜中に車を飛ばすようなことは、もういい加減にやめなさい」と月に諭されていると言う著者の心情は、評者にもそのまま当てはまる。もちろん評者の場合は、美しい月ではなく悪魔の星アルゴルである。

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表紙写真

アルケミスト双書 古代マヤの暦

  • ジェフ・ストレイ 著/駒田曜 訳
  • 創元社 刊
  • 17 x 14.4cm、65ページ
  • 2009年4月
  • ISBN 978-4-422-21471-9
  • 価格 1,260円

本書(原書名The Mayan and Other Ancient Calendars)は、以前ご紹介した「ストーンヘンジ」の姉妹書。57ページのこの本よりやや厚いのは、用語解説と暦に関する注があるからだ。著者紹介によれば、著者はマヤ暦の研究家。姉妹書同様豊富な図版が特徴で、マヤ固有の絵文字の解読(評者は良くできないが)に大変便利である。また、マヤ独特の暦は日・月ばかりでなく、金・火・木・土の運動に基づく長期暦(驚くなかれ3000年や9000万年4億年といった人類がいなかった頃まで)が記述されている。

みなさんもどこかで聞いたかも知れないあの2012年のこと。映画などで知った人も多いだろう。あるいは、コンビニでも購入できるトンデモ本でも読まれたかも知れない。そのトンデモ本によれば、ノアの洪水もキリストの誕生も黒死病(ペスト)の流行も、また1万数千年前にあったそうな核戦争も、マヤの人々は全て予言したそうだ。その根拠がマヤの暦で、それに基づく2012年12月21日に古い時代が終り、同時に新しい時代が開始すると言う。トンデモ本はこの日を世の終末と論じている。挙句の果てには、地球軌道に最接近する日付も距離もほとんど根拠なく、かつて何度も騒動になったあの小惑星トータティスの地球衝突がまたぞろ復活している。

もちろん本書は、評者が取り上げ推薦するものとして、科学的に立派な本である。原書名には和書名に見られる予言も占星術もなく、純粋に暦学の書である。評者は2012年の終末予定日を否定したアメリカの天文誌「Sky and Telescope」を読んでから、マヤ文明については一介の学者になった(つもりだ)。お陰で議論を沸騰させた関連本まで古書店で衝動買いして読んでしまった。

しかも、本書最終ページによると、冬至点と銀河中心の接近(直線状に並ぶのはまだ200年先)がアメリカでは重視されているという。どうです、みなさんもこの年に本書でマヤの暦学を学んでみませんか。

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表紙写真

Disney: Wonderful World of Space

  • Andrew Fraknoi 著
  • Disney Press 刊
  • 28.2 x 21.3cm、128ページ
  • 2009年8月
  • ISBN978-1423122647
  • 価格 904円
  • ※洋書の価格は為替相場に応じて変動します。ご了承ください。

本書は、ディズニー・ファンで天文ファンの諸姉諸兄に絶対おすすめ。評者も書評を書き上げた後ただちに、毎月の給料を結婚資金とディズニーランド資金にしていた娘とその連れ合い(なぜか天文ファン)にこの本を献上することにした。いや、本書を洋書店で購入したときに勝手に決定していた。

いやいや、決して子供だましの本ではありません。なにしろ著者は評者も米国の諸天文雑誌に寄稿している業界の有名人。小惑星4859に命名されている米国屈指の天文普及家かつ学校の先生なのだ。ちなみに、評者も小惑星9866に名前を戴いています(比較の対象にはとてもならないが)。

ディズニー・キャラクターたちをふんだんに配置した編集も見ているだけで楽しいが、読めばなおさら楽しい時を過ごせるだけでなく、最新の天文学が学べるのだ。

例えば、「スイス・チーズ宇宙」って、あなた知っています?そう「泡宇宙」のこと。あるいはハッブル宇宙望遠鏡が車のバッテリー20個分の蓄電量で作動しているとか、アレシボ電波望遠鏡にコーンフレークのファミリー・サイズ箱を敷き詰めるには、353,000,000個必要だとか、寝食を忘れ5秒ごとに1268年間数え続けて、やっと銀河系内全部の星をカウントすることができるとか、有名な馬頭星雲の鼻先〜たてがみまで2光年あるなど、さすがディズニー流、解説員が引き出しにいれておかねばならない話題満載である。おもしろいですよ!

ウェブサイトの紹介も役立つし、本書の程度がどのくらいかは、天文オール・スターがヒッパルコス。コペルニクス、ガリレオ、ケプラー、ニュートン、ハレー、ハーシェルに、リービット、ハッブル、ペイネ・ガポシュキン、チャンドラセカール、ドレークが肩を並べて紹介されていることでおわかりいただけよう。

掲載された天体写真も、我が国の天文書ではお目にかかれないような珍しいものが多い。その説明も、これで十分といってよい役立つもの。本来は彼の国の天文少年少女が学ぶ図書だから、我が国の天文青年が読む英語の本としては、絶好と言って良い。みなさんまず本書からスタートして下さい。

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パッケージ写真

バーチャル・プラネタリウム
自宅で愉しむ「全天88星座」の世界

  • シンフォレスト 製
  • DVD(約165分・片面2層)
  • 価格 3,600円

TVやPCの画面で気軽に、まるでプラネタリウム番組を見ているかのような星空の世界を楽しむことができる1本。

本編は、日本から見られる春夏秋冬、そして南半球で見られる星空の見どころをそれぞれ20分で丁寧に紹介している。撮り下ろしの天体写真を背景に、星座や天体の見つけ方、主な神話を解説してくれるのは、人気声優・能登麻美子さんの癒しのウィスパーボイス。そこに、ジャズ、無伴奏チェロ、シンプルなピアノソロのBGMが彩りをそえる。

お決まりの解説をつめこむというより、あくまでゆったりと星を眺め、少し知る、というのがメインとなっている。それでいて、ブラックホールや系外惑星、遠くの銀河の姿など、直接目にできない姿や天文学的な豆知識も紹介し、子供もふくめて無理なく知的好奇心をくすぐってくれる。ナレーション音声をOFFにすれば、BGVにも。

特典映像では全88星座を約30秒ずつ映像と音楽で紹介。「はえ座」「ポンプ座」など、「こんな星座があったの?」という発見が楽しめる。星だけの画像から星座絵、星座線、名前、と順に表示されるので、シャッフル再生して星座あてごっこ(かなり難しい!)で遊ぶこともできる。

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