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Book Reviewこだわり天文書評

金井三男さんのWebオリジナルレビューと「星ナビ」月刊ほんナビを掲載しています(不定期更新)。▼天文・宇宙関連書の最新刊リストも掲載。

旬のトピック 金星

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金井三男のこだわり天文書評 第百五回(02/20)

■科学報道の真相 ジャーナリズムとマスメディア共同体■人工知能はスペース・コロニーの夢を見るか? 宇宙倫理学入門■宇宙を仕事にしよう■理系親子になれる超入門 誰かに教えたくなる宇宙のひみつ

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星ナビ「月刊ほんナビ」(原智子さん他) 星ナビ2017年2月号(02/20)

■マーズ 火星移住計画■私たちは宇宙から見られている?■系外惑星の事典■最新 惑星入門■よむプラネタリウム 冬の星空案内

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金井三男さん 金井 三男(かない みつお)

1974〜1989年に東京・渋谷にあった五島プラネタリウムで解説員として活躍の後、(株)東急コミュニティーにて後輩の指導・育成に携わる。現在は首都圏10か所のカルチャーセンターで毎月講演会を行っている。月刊「星ナビ」で、独自の視点から天文や宇宙を追究する「金井三男のこだわり天文夜話」を連載中。

新着レビュー

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

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科学報道の真相 ジャーナリズムとマスメディア共同体
 

科学報道の真相 ジャーナリズムとマスメディア共同体

  • 瀬川至朗 著
  • 筑摩書房
  • 17.2×10.6cm、283ページ
  • 2017年1月
  • ISBN 978-4480069276

就任直前になって、やっと初めて記者会見を行ったが、あるジャーナリストを侮辱するというとんでもないことをやったおそらく史上初の大統領というレッテルが近々貼られるだろう人物の話題で持ちきりの日々が続いている。ともかく、報道は近現代の大きな特徴である。特に科学報道は、公平さと中立性、正確さとわかりやすさが必要とされているはずだが、STAP細胞(第1章:分量49頁)や原発事故(第2章:85頁)など、ここのところミソを付けてしまった報道が事欠かない状況になっている。

中でも評者は、本書第3章(51頁)に記されている地球温暖化問題が、ダントツに問題であると思っており、カルチャーセンターでの講義に際して、受講者の皆さんに「くれぐれもテレビのニュースショーや新聞が伝えていることを丸呑みにしないで」とお話ししている。おそらく本書は、日本のジャーナリストが初めて温暖化懐疑論を本格的にかつ公平に取り上げた初めての本ではないかと思う。温暖化懐疑論は、IPCCの強い圧力で現時点でもマイナーな状況下にあるが、そもそもいくら地球が温暖化したにしても、周囲の宇宙(太陽系)空間が太陽活動の低調化で寒冷化しているなら、影響を受けることが必至であることがなぜ想像できないのだろうか。過去にもありましたよ。無黒点期が小氷河期につながった事実が。ぜひ皆さん、本書を読んでじっくりと考えていただきたい。

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人工知能はスペース・コロニーの夢を見るか? 宇宙倫理学入門
 

人工知能はスペース・コロニーの夢を見るか? 宇宙倫理学入門

  • 稲葉振一郎 著
  • ナカニシヤ出版
  • 18.8×12.8cm、272ページ
  • 2016年12月
  • ISBN 978-4779511226

書店で初対面した折り、タイトルを宇宙「論」理学と読んでしまい、再度よく見たら宇宙「倫」理学で2度ビックリした。この70年間どちらのタイトルでも初体験だったからである。論理なら科学書としてまだしも、倫理ってこれまであったかな? だった。でも、副題を見て、あぁこれは時代に合った、というより時代が要求しているのだなと悟り、これは本書評でぜひ取り上げる必要があると決定した次第。

かねてから評者は、もしロケット内やスペース・コロニー内で多国の飛行士らの間にもめ事が起こり、犯罪が発生したら、誰がどこの機関がどこの法律によって判断するのかということを考えていた。要するにたとえ二人や三人であっても、これは国際問題なのだ。

特にそれが人ではなく、ロボットや人工知能だったらどうしたらよいのか。そういう時代に今や差し掛かっているのである。本書は、そのあたりをロケット開発者でも科学者でもない、ある国立大学の社会学部を卒業した、全くの文系の人が文系の立場・観点から深く、かつ慎重に書いているものである。なるほど、こういう方々はこういう風に考えるのだということを深く新鮮に学ばせてもらったわけである。本書はその意味で、これからの宇宙開発のあり方を考えさせてくれる好適な本となった。ぜひ、宇宙開発に関心をお持ちになっている多くの皆さんに御熟読いただきたい好書である。

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宇宙を仕事にしよう
 

宇宙を仕事にしよう

  • 村沢譲 著
  • 河出書房新社
  • 19×13cm、250ページ
  • 2016年11月
  • ISBN 978-4309617046

巻末記載の著者紹介によれば、宇宙作家クラブ会員で、東宝映画「宇宙兄弟」で製作に加わり、宇宙開発に関わる多数の著書を上程している人。本書は、宇宙飛行士からロケット管制官と開発者、天文学者まで、日本を代表する9人の若手の人々に、直接インタビューをした記録書である。評者の若い頃(半世紀前)には、宇宙関係の職業といえば=天文学者+プラネタリウム解説員しかなかったが、今ではメチャクチャ多数あって皆さんがウラヤマシイ。夢があることを、本書はご本人達から丁寧に解説してもらえるのだ。

評者は、有名天文学者達がなぜその道に入ったかを、その伝記からメモし続けている。それによると、きっかけの大多数は、天体望遠鏡が重要な役割を成している。例えば土星の環。あれを望遠鏡で見たとき、衝撃を受けない人はいない。ガリレオをしてしかり。その他大勢もしかり。実はかくいう評者も小学4年生の時、近所にいた星のお兄さんに土星を見せていただいたのが今に至ったのである。というところで、本書を購入・熟読させて貰った。だが、とても残念なことがある。実は本書の中にプラネタリウム解説員が一人もいないのだ。評者の子供の頃、天文や宇宙に関する質問は、先生はダメ、天文学者に質問はできず、頼るは解説員しかいなかった。故に澁谷に通い続け、ついには大学入学・天文学専修・教員・解説員となったのだ。できれば現役解説員にインタビューして欲しかった!

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理系親子になれる超入門 誰かに教えたくなる宇宙のひみつ
 

理系親子になれる超入門 誰かに教えたくなる宇宙のひみつ

  • 竹内薫 著
  • 徳間書店
  • 19.4×13cm、205ページ
  • 2016年11月
  • ISBN 978-4198642754

一言で言って「楽しい本」。誰かに宇宙のことを教えたくなること間違い無し。著者は、あの有名な理学博士でサイエンス作家。みなさんもテレビなどでよく見かける人ですよね。

「はじめに」にあるように、著者は子供の頃、夜空を見上げて様々な疑問を持ったという。ちなみに評者も同じ。だって、そうでしょう? 私を取り巻く宇宙は、最低でも私より大きい。いや、太陽はとても眩しく光っているけれど、同じく光っているという星は何であんなに暗いのだろう。土星のヘンテコな環っかは、なぜあるんだろう。望遠鏡で天体が大きく見えるわけは? 月に人が行ったのは、評者が22歳の時のことだが、アソコを人が歩いているなんて信じられなーい、ですよ。

といった次第で、次から次へと疑問が湧いてくる。評者が恵まれていたのは、近所に望遠鏡を持っていた星のお兄さんがいたことと、評者の父が三省堂書店に勤めていたので本には不自由しなかったことだ。残念ながら、星のお兄さんは普通のお兄さんで、科学者ではなかった。でも、自由に望遠鏡をいじらせてくれた。

今の子供達は、非常に恵まれている。字さえ読めれば簡単に知識が得られるのだから。残念ながら、本書の本文はかなり難しい漢字が書かれているので、高校生ぐらいでないと難しいなぁ。でも漫画があるし、親御さんと一緒に読めば、間違いなく楽しめますよ!

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新刊情報

2月20日更新

最新 太陽系大図鑑

  • ニュートンプレス
  • ISBN 978-4315520613

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太陽の謎のリング その正体は?

  • 宝島社
  • ISBN 978-4800267948

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宇宙138億年の謎を楽しむ本 星の誕生から重力波、暗黒物質まで

  • 佐藤勝彦 監修
  • PHP研究所
  • ISBN 978-4569766676

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宇宙が教える人生の方程式

  • 佐治晴夫 著
  • 幻冬舎
  • ISBN 978-4344030589

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それでも宇宙は美しい! 科学の心が星の詩にであうとき

  • 佐治晴夫 著
  • 春秋社
  • ISBN 978-4393360637

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ブラックホールで死んでみる タイソン博士の説き語り宇宙論(上)

  • ニール・ドグラース・タイソン 著、吉田三知世 訳
  • 早川書房
  • ISBN 978-4150504847

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ブラックホールで死んでみる タイソン博士の説き語り宇宙論(下)

  • ニール・ドグラース・タイソン 著、吉田三知世 訳
  • 早川書房
  • ISBN 978-4150504854

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デジタルアポロ 月を目指せ 人と機械の挑戦

  • デビッド・ミンデル 著、岩澤ありあ 訳
  • 東京電機大学出版局
  • ISBN 978-4501630409

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宇宙はなぜ「暗い」のか?

  • 津村耕司 著
  • ベレ出版
  • ISBN 978-4860645014

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やさしくわかる星とうちゅうのふしぎ 〈1〉月と地きゅう

  • 渡辺勝巳 監修
  • 汐文社
  • ISBN 978-4811323152

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